趣味Web 小説 2006-07-16

独占欲と恋愛感情の癒着を解消することは現代社会の大きな倫理的課題

いろいろな小説を読み、ドラマを見てつくづく思うのだが、現代社会の倫理観には人間を不幸にする大きな欠陥が少なくともひとつある。

「恋愛に独占欲を持ち込んでよい」というルールがそれだ。

1対1の関係のみを「正常」とし、恋愛関係に独占欲を持ち込むことを全肯定する考え方を幼少時より刷り込んでいく教育に起因する不幸が、この世の中にはあまりにも多すぎる。価値観なんてものは考え方ひとつなのに、生まれ持ったものではないのに、物心つく前から延々とひとつの考え方ばかり教えられてきた結果、大いなる錯覚をしてしまう。恋愛関係は多対多が正常で、1対1はバリエーションのひとつに過ぎない、ってことにしておけばいいのに。

家族愛や友愛は多対多で問題ないのに、どうして色恋沙汰になると1対1ルールの遵守が正しいという考え方を疑わないのか。価値観闘争に勝利してきた考え方なのだから、それなりにメリットがあるのだろうけれど、「価値観は可換である」という前提に立って、冷静に語りなおす価値は小さくないのではないか。

今日もまた、テレビの向こうの世界では「痴情のもつれ」とやらが原因で人が殺されている。どうせ殺人事件なんて、自殺や交通事故と比較すれば少ないものなのだけれど、私は釈然としない。

追記(2006-08-18)

靖国参拝を「心の問題」で片付けるのが不満らしい。結果の損得をいうなら、痴情のもつれによる殺人こそ優先的に考えるべき問題じゃないのかな。首相の靖国神社参拝で死んだ人を私は知らないけれど、独占欲と癒着した恋愛感情の犠牲になって死ぬ人は毎年たくさんいるよ。

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