趣味Web 小説 2006-10-25

食材の買い方・他

1.

ものぐさで食事にあまり関心がない私は、実家にいた頃、母が病気で倒れない限りは料理をしなかった。たまに外出か何かで母の帰宅が遅くなっても、平気で夕飯を抜いた。自分で夕飯を作るくらいなら、食事をしない方を選ぶのが私だった。

中学・高校の家庭科はいつも90点台をキープしていたので、自分ではさして不安も感じていなかったけれども、両親は私の一人暮らしが心配で仕方なかったようだ。その気持ちはよくわかったから、地元の大学を卒業して就職する際、私は食事の出る社員寮を持っている会社を選んだ。

しかし社員寮で食事が出るのは、会社が休みじゃない日の朝と夕方だけ。調理場は保健所の指導もあって、管理人以外は使用禁止。かといって個室に調理のインフラがない。したがって休日は、外食するしかない。私はしばしば、週末絶食を敢行した。外に出るなんて面倒くさくって。

でも3連休はきつかった。3日目の午後には貧血で立ちくらみ。食堂の共用冷蔵庫まで壁伝いによろよろと20メートル。飲み物を口に含んだら生き返った。調子に乗って風呂に入ったらまたダウン。入浴はエネルギーを要するなんて常識じゃないか。アホかと思った。いや、どうみてもアホだけど。

別にお金がなかったわけじゃなくて、貯金はどんどん増えた。年収の3分の1が余る状態。寮にいられるのは4年間だけ。その先、本当に大丈夫か? と、ようやく危機感を覚えた。しかし寮を出る直前まで、休日の絶食癖は続くことになる。(部屋にパンやお菓子を備蓄する程度の知恵はついたが)

で、finalvent さんの「料理のコツ」だけれども、これは自炊生活の枠組みを構築するためのアドバイス。寮を出てみたら、当初の自信の通り、毎日きちんと自炊している私がいるわけだけれども、実質2ヶ月の試行錯誤、その後5ヶ月の微調整の結果と finalvent さんのアドバイスには類似点があり、興味深かった。

とはいえ私は父譲りの鈍い舌の持ち主で、うまいもまずいもさして気にせず、料理の研究(?)にも関心がない点が大いに違うわけだけれども。あと私は万事、手際が悪い。時間はあるからのんびりやる。

カレーやシチューを作るときにはまず材料を炒めなさいとルーの箱に書かれていたから、最初は素直にやっていた。でも試しにいきなり煮てみたところ、自分には味の差がわからないことが判明。だったら手抜きしましょうよ、ということで、今は炒めてない。例えば、そんな感じ。

そういえば、職場の飲み会(2~3ヶ月に1回)以外に全然、外食がない。コンビニで買った惣菜パンなどを齧るだけの無調理食も、とくに多忙で朝がつらかった時期の他は無し。7ヶ月で20食未満なら悪くないと思う。体調の悪かった時期にも食事だけはとっていたし。

社員寮時代の休日絶食は、ものぐさではなく、休日に人に会うつらさが空腹に勝った……のかも。

一人暮らしには他人の目がないから、一番苦手なことからルーズになっていく。私の場合は、引きこもり体質がモロに出てきたわけだ。外食なし、裏を返せば休日に自宅から半径2kmより遠くへ一度も出かけていないということ。ともかく今年も、やたらお金は余ってる。

2.

食材の買い方について、現状をメモ。

何度も買い物に行くのは面倒くさいので、原則週1回とする。生活雑貨もこのときに買う。以前は帰宅後、自転車に乗り換えていたけれども、運動不足と買い過ぎ傾向を打破するため、会社→買い物→自宅というコースに変えた。駅から先、ひたすら歩く。

その結果、ペットボトル飲料は絶対に買わなくなった。重いからだ。1~3日に1回ずつ、お茶を沸かしている。米は2kgずつ、しかも米びつが空になり、掃除まで済ませてから買うようになった。米も重い。肉も消費量が減った。重いからだ。野菜は体積の割に軽い感じがするので、買い続けてる。

生活雑貨は軽いくせにかさばる。手は2本しかないので、入用の物が多いときは食材を絞り込む。だいたいそういう週に、冷凍したものや、乾物の類を消費していくことになる。

スーパーや八百屋や100円ショップ(乾麺などが近隣で一番安く買える)が家と駅の間にあればいいけれど、実際にはいずれも家を通り越した先にある。家が駅に近すぎて、間にあるのはコンビニだけ。私はケチなので、いくら財布にお金があってもコンビニで高価な食材を買うことはない。

となると、買い物は面倒くさい、ということになる。なので、冷蔵庫が空になるまで買い物に行かない。冷蔵庫が空になったら、掃除をする。賞味期限切れの食材を溜め込んだりすることは、これで避けられる。(注:調味料を毎週使い切るのは、さすがに不可能)

だいたい和食にせよ洋食にせよ、レシピを見て一番ゲンナリするのが、塩小さじ1、酢大さじ1とかを混ぜてベースとなる味を作る過程。こういうのはやらないと決めて、匙と小皿は買わず・作らず・持ち込ませずの方針を貫いている。こうすればレパートリーは大幅に制限され、献立や調理手順を考える手間が省ける。

ドレッシングは1種類しか持たず、空になったら前と違うのを買うパターン。空になるまでは絶対に次のを買わない。これは私が用意しているすべての調味料(塩・胡椒・味噌・だし入り麺つゆの素・醤油・みりん・コンソメ・中華スープの素・ブイヨン)で同じ。調味料1~3種類が数日間切れても、料理には困らない。

乾物や保存食、冷凍したものは食べ尽くさずに買い物に出る。明日が雨だったら? 残業があったら? 麺類2kgの備蓄や、冷凍した食パンや加熱後に冷凍保存した野菜は、冷蔵庫を空にした後の備え。大事に食べれば10日分くらいになる。この余裕がなければ、生ものを食べ尽くすまで買い物に行かないのは無理。

しかし冷凍品だって「食べずに放置」はもったいない。そこで毎月末、生ものを潤沢に用意して冷凍品を一掃するルールを設けている。

ちなみに。冷蔵庫の外にある乾麺、缶詰、じゃが芋、玉ねぎ、カレールー、スパゲティソースなどは、目立つ位置にあるシースルーの棚に入るだけしか買わないことにしている(買い過ぎ防止)。常に在庫が目に見えているので、忘れ去られた食材はありえない……はずである。

要領の悪い人間は、環境を整えて簡単なルールをきちんと守っていくことが大切だと思っている。

3.

いずれも紹介されたときは面白いなと思って読んでみたのだけれど、実際にレシピを探そうと思ったときにはクックパッドしか使ってない。まあ、月に0.5回くらいだけど……。やっぱり写真があってイメージが掴みやすいのと、検索機能が充実しているのがいいと思う。

基本的に、食材から検索。ときどき冷蔵庫にナスとか特定の野菜だけ残ってしまったりするので、それでも何とかなる料理を探す。それだけが私のレシピ需要。まじめにレパートリーを増やそうとか考えていないから、そうなっちゃうのだろうな。

クックパッドでこういうレシピをみると、なんだかホッとする。ちなみに私は、残ったさつま芋を、1.輪切りにする 2.皿に盛る 3.バターを乗せる 4.レンジでチン この手順で1食にしました。カットわかめと刻み揚げの味噌汁とか添えたら、それで十分でしょ。早切りミカンもあるし、牛丼よりは栄養あると思う。

こんな感覚で料理してます。

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