趣味Web 小説 2006-11-08

織田無道さんと井上夢人「the TEAM」

もちろん、霊を見る力はありますよ。ただ、ワシも含めて、みんな人間、10のうち9はハズレです。霊番組がやっているのは演出。霊能者に自信を持たせるため、あらかじめリサーチして答えを出し、そこに霊能者を誘導して、さも超能力で発見したような演出をするんです。テレビの霊番組に真実を求めても無駄ですね

霊能者が出てくるテレビ番組、やっぱり事前にある程度のリサーチをしているのですね。百発百中の霊能者をバックアップするチームを描いた井上夢人さんの小説を思い出しました。

ところで、こうした話を知ってマスコミ批判をするのは、そりゃ勝手ですけど、この記事だってマスコミが取材して公開した情報ですからね。私の知る限り、ときに傍若無人に見える行動を取ってしまうマスコミ人だって、会って話をしてみれば、たいていマジメに頑張ってます。

the TEAM

ちなみに井上夢人さんの小説に登場する「霊能者」は何ら霊能を持たない人物という設定になっています。だから最初はテレビ批判とも見えるわけですが、読み進むにつれて「能力の有無など問題ではない。大切なのは依頼人が救われるかどうかだ」というドライな割り切り方への感情的反発が少しずつ崩されていく。

しかし最後はきちんと「詐欺」を許さない社会常識の「勝利」を描いてストンと落としますから、娯楽小説として安心して読めるかと。

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