趣味Web 小説 2007-02-28

Web ブラウザは仕様の範囲内で個性ある画作りをしてほしい

IE7 のズーム機能は CSS 使い泣かせ(2006-02-01)の補足記事です。

各所で話題沸騰中の IE7ベータ2 ですが、個人的に一番心配していた IE らしい描画の風合いがきちんと護持されていたので、ちょっと安心しました。

以前の僕なら、ブラウザー間に差があることを容認するようなこの言葉に猛反対していたでしょう。僕には「IE らしい描画の風合い」が具体的に何を意味するのかわかりませんが、今は少なくとも反対はしません。

私はそれほど CSS に精通しているわけではないのだけれど、仕様書の日本語訳などを読む限り、この通りにウェブブラウザを設計すれば、同一のスタイル指定からは完全に同一の表示結果が得られるであろう、とはいえそうにありません。

その一例がリストマークの処理です。例えば square は四角形のマークだとされていますが、具体的にどんな四角形にせよとは書かれていない。

グリフは disc, circle, 及び squareを用いて指定される。グリフの正確なレンダリングは利用者エージェントに依存する。

案外こうしたところで個性が出るものなのです。この他にも仕様書には「この機能に対応できない場合は次のように処理していいよ」みたいな指示が結構たくさんあって、それらを守っていれば、CSS の全プロパティに対応しなくても仕様通りに動作するソフトウェアだといっていいはずです。

というわけで、私はブラウザ間に表示の差異があっていいという立場ですが、それは別に仕様から外れていいとか、そういった主張ではないのです。Acid2 Browser Test について私はよく知りませんが、それが仕様の特異な解釈を押し付けるようなものでない限り、クリアを目指す意味はあると思います。

とはいうものの、IE7 も Firefox2 も float の実装が(ちょっと)仕様と異なるからといって、float に全く対応できない場合と同様の動作をしたら大勢が困りそう。でもこういうことは仕様通りの方がいいと私は思いますよ。

ところで Acid2 への批判として私が首肯するのは中野さんのご意見です。ご参考まで。

float は難しい!

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