こういうサイトを作ろうかな、と私も考えていた。でも私は何せ面倒くさがりだし、何より致命的なのは「リスト作成」が非常に苦手なのだった。誰かが目次を作ってくれたなら書きたい、なんて思っていたのだけれど、それって事実上、死ぬまで書きませんといっているのと同じこと。
HTML 講座みたいなものを自分なりに書いてみようかと思いつつ何も書けなかったのも、このため。体系立てて大きな話を書き進めていくことができない。目次は他人に作ってもらわないと駄目なんだ。
「夏休みの宿題」は我ながら頑張ったと思うけど、サイトのタイトルと内容はうまく対応していない。自分のいいたいことを語り尽くして、適当に分割しただけ。だから入門レベルの作文の書き方ばかり詳しい、変な解説になっている。
質問されれば算数の教え方とか絵の描き方とか何でも書けるのだけれど、自分一人でバランスのいいコンテンツリストを作れない、淡々と書き進める意欲を保てない。編集者・ライターと組んで語り下ろすというスタイルで本を出す人を、自分で文章を書いていないという理由で批判する人がいるけれど、私はおかしいと思うな。分業体制を組むことによって、バラバラの3人では決して生み出せなかった本が誕生する、そして社会に役立つ。それって素晴らしいことなんじゃないか。
Folio で CSS について連載記事を書けたのは、非常に幸運なことだったと思う。私に与えられたのはモチベーションだけだから、内容のほうは相変わらず、言いたいことを言いたい順番に書いただけ。だから読み物としては面白くても、後から参照するのには全然向かない。それでも、Folio がなかったら私は何も書けなかった。
そんなこんなで、私は本を書いた人のことは、少なくとも1冊まとまった内容を書き上げたという点で尊敬している。Amazon でいろいろな本を酷評したけれど、自分が著者に成り代わって本を書くことは決してできないのだということを、いつも心の片隅に留めおいていた。
「日銀はだれのものか」とか「結婚ってどうよ!?」のようにライターの名前を表紙に入れるような本がもっと増えるといいな、と思う。