議論する気はないけど補足説明をつけておこうかな、と思った。異論のある人を説得しようというのではなくて、私に同意する人のための補足、というか。
何が「著作権保護の対象はプロだけでいいし、権利意識を持つのも彼らだけで十分だ」だ。アマチュア作家の作品を盗作したプロ作家はいないとでも言うのか。
素人が頑張っても金にならないものが、プロが盗作したら金になるなら、そのお金はプロがもらっていい。著作権に対する発想を大転換して、「そういうこと」にすればいいんだ。誰を儲けさせるかなんて、消費者の選択に任せりゃいいんだよ。
私は他人の商売を邪魔する人間は大嫌いなんだ。その一方で、金にならないコンテンツを死蔵してる人々も気に入らない。
何だか WWW を見てると、プロとか企業とかのコンテンツの話ばかりしてる人が多い。YouTube や P2P の擁護論として、「もともと死蔵されてるコンテンツじゃないか」というなら、一般人のブログだって死蔵されてるコンテンツでしょう。後生大事に権利を持っていたって何にもならない。
金にならないものはみんなまとめてパブリックドメインにすればいいんだ。そうすれば、オリジナルは作れないけど改作だけは異様にうまい人とか、文章の手直しが神がかり的な人とか、記事を構成して雑誌を作るだけが取り得の人とか、今まで活躍の場がなかった才能が勇躍し、新たなコンテンツ市場が立ち上がるはずだ。
何がパクリだ。くだらない道徳だね。そんな制限はこの世に必要ない!
スラムダンク・トレース疑惑というのがあるけど、模写だっていいんだよ。吉井凜さんと末次由紀さんを抹殺して、世の中、何か明るくなったのか。井上雄彦さんが単行本の巻末とかで、「今回はこの雑誌の写真を模写しました! この写真家の写真集は通販で買えるよ!」とか書いて、お互いに売れまくって万々歳という未来が早く来ないか?
あるいは、漫画ファンが一致団結してパブリックドメインの写真を投稿しまくるサイトを作ったらいいのに。100億枚くらい写真が集まったら漫画家さんはずいぶん助かると思う。どうよ? 自分じゃ何もせずにこのまま見殺しですか。
私は YouTube に放送事故の映像なんかをアップロードするのは、まず問題ないと思ってる。でもアニメ番組のように後に DVD が発売されると分かってる作品を全部アップロードする行為は許せない。YouTube で満足するような連中はどうせ買わない? レンタルの需要を食ってるのは間違いないと思うけどね。
P2P で廃盤になって久しいレコードのデータを流すのはありだと思う。でも新作を発売翌日に全部流すような奴は許せない。
個人のブログや写真はいつブレイクするか分からないから、1年くらいなら暫定的に無条件で保護したっていいとは思う。でもその先はどうですかね。1年が短いなら3年とか5年でもいい。でも死後50年も必要ですか? プロの権利を勝手に侵害して開き直る前に、やるべきことがあるだろう。
もし1円にもならないコンテンツでも、どうしても権利を放棄できないというなら、松本零士さんの悪口なんかいうんじゃないよ。あなたごときが権利に固執するのだから、天才が自分の権利を永久のものにしたいと願って何がおかしい。
私は著作権税の創設を主張します。年間10万円納税すると、その人物に著作権を主張する権利が与えられます。納税以前の著作物は保護対象外。また翌年の支払いが滞ると、それ以降の著作物はやはり保護されない。保護期間は最後の納税から10年間。遺族が著作権税を払い続けることも可能。ただしいったん著作権が切れたものが再び保護されることはない。(ま、叩き台ということで)