趣味Web 小説 2007-12-26

そこを強調されても、説得力がない

荻上チキさんの実名につながる情報をブログに記載した小谷野敦さんがはてブ方面を中心に批判を集める、という話題がありまして、小倉秀夫さんがいつも通りのコメントをした、と。

海風さんは小倉さんの主張について、誰もそんなことはいってないというのだけれど、私は「それはどうかな」と思う。そりゃ「いってない」のかもしれないけど、これって絶対、2chのブログ論壇スレで書かれてたら何の騒ぎにもなっていないはずだから。

finalventさんがヒントじゃなくてまんま実名(とされるもの)を書かれたとき、一体誰がブログで2ちゃんねらを批判しましたっけ? 無論、少しは批判の声も上がったのだろうけど、少なくとも今回のような騒ぎにはなってない。あんなのただの嫌がらせでしょ。擁護すべき理由なんかひとつもないはず。

そりゃ何でもかんでも批判して回ることはできない。でもさ、だからといって、という話。ヒントを出したくらいで、こうも口を極めて罵るような、ヒステリックな反応をする人がたくさん出てくるのは、やっぱり小谷野さんが著名人だから。

で、これは以前から小倉さんが皮肉ってることだけど、こういうことがいちいち、「誰がいったかではなく、何をいったか、が大切なんだ」という主張が、現実には全く無力であることを示しているわけですよ。

mixi で犯罪告白、みたいな話題もそう。2chでは折に触れてルール違反告白スレが立ってるけど、サッパリ話題にならないでしょ。少なくとも「2ch運営は社会正義に反する発言者の情報を開示すべきだ」みたいな祭りにはならない。おかしいじゃないですか。

誰がいってるか、明らかだったり、調べればわかる、わかった、みたいなケースでばっかり、批判が沸き起こるわけですよ。この非対称性はなんなのか。

小谷野さんを批判している人は、2chとかの実名晒しだってよしとしていないのかもしれない。テラ豚丼で電凸した人は、匿名の犯罪告白にだって怒っているのかもしれない。でも、小谷野さんだけを公に批判し、犯人を追い詰められそうなテラ豚丼でだけ電凸する、そういう人が多いわけでしょ。

実際の行動には明らかに温度差があって、そのことが否応なく意味を持ってくる。反フェミ運動のおかしさを批判し続ける荻上さんが、フェミニズムへの支持表明をしていなくたって、フェミニストと目されるように。

私はそれを非論理的だなんて思わない。直接的な言質が取れなくたって、状況から推し量るのはアリ、という前提を受け入れるかどうか、そういう話だと思う。

そもそもこの件は晒した人間が実名か匿名かに関わらず、オフラインで入手した個人情報を「気に入らないから」という理由で晒す行為の是非の問題、いわゆる「ネットいじめ」が許されるか、という点にあります。

だから説得力がないんですよ、そこを強調されても。小谷野叩きと同じくらいの熱意を持って、匿名の人々による「ネットいじめ」を一体どれだけ批判してきたのか。これは海風さん一人が公平でも仕方ないのであって、小倉さんがいうのは、全体の傾向としてどうなんだ、ということだと思う。

私は、小倉さんの感覚の方が実情に近いと認識しています。

余談

私の本名は、調べようと思えば調べられます。オンラインで調査可能。だけど、検索エンジンに引っかかるような状況にはない。そういう風にしてるわけ。これを、どうせ簡単なオンライン調査でわかるんだから、検索エンジンで徳保隆夫=***と一発でわかるようにしたって同じだろう、とかいわれたくはない。

ていうか、同じじゃないから嫌がらせとして通用する。攻撃者はその効果をよく知っているからこそ、わざわざ検索エンジンに引っかかるように書く。はてなダイアリーキーワードの「***」を削除してほしい理由も同じ。編集履歴ページのコメント欄……。はてなって、こういうの削除してくれないんだよね……。

オンラインで誰でも簡単に調べられることだからプライバシーじゃない、と。ようするに、犯罪にならない嫌がらせの範疇なら言論の自由を優先する、という立場。泣きたいが、そういうサービスも、世の中に一つか二つは必要なんだろうと思う。

キーワードが削除されればコメント欄も消える。それが頼みの綱。幸い、攻撃者がキーワード削除を申請してくれた。そしたらなぜか、善意の第三者がキーワードを存続させちゃった。ううっ。自分で消すとまた攻撃者に目を付けられそうで、2年間、じーっと待ってきた。この先もずーっと、このままなのだろうか。

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