Radiohead の挑戦も面白いけど、もうちょっと多くの人にとって現実的な革新の種のひとつが、チケットの公式なオークション形式販売だと思う。
人気歌手のコンサートや人気漫才師のライブなどのチケットは、いつも短時間で完売となる。これが人気のバロメーターのようにいわれることが多いのだけれども、中学校の公民の時間に習った需要・供給・価格の関係を素直に考えれば、ヘンな話ではないか。
完売するということは、すなわち供給不足。もっとチケットを増やしたら、売上が増えるはず。体力の問題や、あえて会場を小さくしてお客さんを絞り込みたい、といった都合があるなら、価格を高くするのが常道。いろいろ考えるところあっての戦略なのはわかるけど、結局、転売市場で価格吊り上げが発生している。
やはり人気チケットは、最初からヤフオクとかで販売すべきだと思う。サッカーのW杯とか、チケットの転売を規制するとかいって、現実にはノーチェック。転売した者勝ちだった。大方の予想通り。常識の殻を破って、経済学の初歩に忠実な商売の仕方はできないものか。
注:福岡ソフトバンクホークスのチケットの公式オークション販売などの様子から、もともと売り切れにならないようなチケットは、オークション方式では売りにくいことがわかる。定価で買えるなら、コンビニとかを利用するのが便利に決まってる。
といっても、ディズニーランドの入場予約権つきチケットはあまり普及していないようで、せっかく浦安まで行ったのに入場制限、なんて人が絶えない。チケット販売には、いろいろ進化の余地があるように思うが、ちょっと複雑な仕組みになると、消費者の大多数がついてこれなくなってしまうのかもしれない。
例えば、オークション方式でチケットを販売すると、「払い戻し」システムとの整合性が問題になる。規定額でしか払い戻されないシステムを受け入れてヤフオクとか金券ショップでチケットを買っている人がたくさんいるとはいっても、公式にオークション方式で売れる状況にはない、のかもしれない。
ていうか、オークションという仕組み自体、ふつうの人には結構つらいか……。ヤフオクの公式PRだから、簡単とか楽しいとかお得だとか書かれているけれど、体験記を素直に読めば、たかが買い物にどえらいエネルギーを要することがよくわかる。
一理あると思いますが、やってみてダメなら、それはそれでいいんですよ。ただ、今はまだホークスくらいしか、大規模な実践例がない。もうちょっと事例がほしいです。まずは「S席はオークション方式で販売」というあたりからテストしていくといいのではないか、と思います。