趣味Web 小説 2008-07-07

最近、養子縁組のニュースを聞かない

アメリカの著名人はしばしば養子をもらってニュースになってる。日本ではあまり聞かない。なんでだろ。かつての日本で、養子になったため不幸になった人が、そんなに多かったのだろうか。私の祖父は、生母と養母の家を日常的に行き来しつつ、どちらの家族にも愛され、幸せに育った。そういう人も多いと思うが。

不妊治療とか、したい人はすればいいんだけど、まず養子を検討したらいいのにな。そういう社会になれば、逆に子育てに向かない人が安心して子どもを手放せるようにもなるんじゃないの。人間として失格、みたいな事大主義があるからプライドを刺激する。人には向き不向きがある、それだけだ、というノリの方がいい。

「本当の」お母さん、とかね。個人的には嫌な言い方だと思う。なんでそんな言い方が広まっちゃったのかなあ、と。やっぱ、生母より養母でしょ。迷う余地なし、だと思うんだけど。調べなきゃわかんない血のつながりなんかを重視する情報優位の発想には与しない。

代理母出産で話題の向井亜紀さんは、明確に夫の遺伝子を残すことを目的になりふりかまわず突き進んだ。この熱い遺伝子信仰には違和感がある。どんな遺伝子があろうと、その後の成長如何で善にも悪にもなるのではないか。夫の素晴らしい特質は、教育によっても伝えることができるのではないか。

その後、向井さんは日本の法律によって自分が書類上の生母となれないことを怒ったのだけれども、こうなるともう遺伝子の話はどこかへすっ飛んでいる。別に書類にどう書かれていたって、向井さんが育てれば、向井さんが「お母さん」になるんじゃないのか。どうしてそれじゃダメなんだろう。

個人の価値観の問題といえばそれまでだが、ニュースの取り上げられ方を見るに、今後こうした私とは異なる価値観の持ち主が多数派を形成していくようだ。だんだんイライラの種が増えていく。

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