趣味Web 小説 2009-02-03

政府紙幣の用途は市中国債の償却がいいと思う

なぜ日本人はお金を溜め込むのか。将来に不安があるから……と、多くの調査が示している。不安の具体的内容は多岐に渡るけれども、あまり政府が信頼されていないようだ。それは何故なのか。

これは私の感覚なんだけど、市場は日本国債を信頼している(相変らず低利率で売れていく)ようですが、消費の主体である一般の国民は財政の持続可能性を信じていないんじゃないかな。5年や10年で破綻することはないと高を括っているけれど、自分が死ぬまでには破綻するんじゃないか、と。

小泉内閣で年金が話題になった頃に同世代の人と話していて気付いたことなんだけど、本気で「年金は絶対に破綻するから払い損」と思っている人がすごく多い。その根拠は、まず少子高齢化、次に国債残高。

いずれ国債残高のGDP比がピークアウトするような政策を採れば大丈夫、という説明に私は納得できたので、周囲の説得を試みたのだけれど、10戦9敗という感じ。目先の巨大な数字に圧倒されて、「常識的」に判断する人がとても多い。

まあ人生において、この手の直感は当たることが多い……というか、実際、理屈先行で走ってコケたときの悲惨さは誰も身に沁みているわけで。直感に従って道を誤ったときの方が精神的にはずっとラク。理屈では勝てなくとも、直感に反する意見に対しては「俺は騙されないぞ」となる人が多いのも無理はない。

政府紙幣なんか何に使ったって文句が出るんだろうけど、こういう魔法みたいな手段を使うなら、個人的には、この機会に国債の残高を減らすべきだと思う。

「素人の妄言」と断りを付して私案を示します。

政府は日銀に政府紙幣を預け、日銀に日本銀行券で国債を買ってもらう。景気の様子を見ながら、最初は月に1兆円とか2兆円というあたりから始めて、問題なさそうなら月に5~10兆円くらいまで、政府の責任でガンガン国債を買い込む。国債の満期がきたら、借り換えをせず、政府紙幣で償還する。

日銀の国債買い上げが物価に影響を及ぼすまでには時間がかかる。償還前に望ましくない水準の高いインフレが生じたら、日銀が保有する償還前の国債は売りオペ(マネー吸収)に使われ、政府紙幣の一部が余る。こうしたインフレの火種を残しておきたくはないので、一定期間後、流通を停止して潰す。

補足:

ようするに、高すぎるインフレにならない限りどこまでも国債残高を減らしていこう、という提案。国債残高の大きさが(将来の増税や年金破綻の懸念により)消費マインドに与えている負の影響を取り除くことが主眼であり、国債買いによるマネー供給がすんなり景気回復に結び付かなくとも実行する価値はある。

だから日銀が国債購入で市場に出たマネーを吸収するよう行動してもいい。物価水準目標を政府と日銀が共有して、その達成手段の一つとして国債購入によるマネー供給が行われれば一番いいけれど、完全でなければダメだという立場を私は取らない。

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