趣味Web 小説 2010-03-12

勝間本とレビュー 雑感

1.

「**だったら買うのに」という意見を素直に聞いても、あまり結果は芳しくないことが多いもの。

はてブの反応は山本一郎さんに概ね同調しており、「表紙の大きな写真が購買意欲を下げる」という認識が共有されているらしい。

しかし勝間さんの本は、主にファンの方々によく売れているはずなので、パッと見て「あっ、勝間さんの本だ!」とよくわかるようにした方が売れるのは、間違いないと思う。どんな本も国民の95%は買わない。勝間本の表紙を貶している人の大半は、どんな表紙だろうと勝間本を買わないに違いない。

自分をデフレ化しない方法 (文春新書)

2.

勝間さんは自著へのひどいレビュー(実際の内容と全く異なる妄想で中傷するレビュー、本と無関係の著者攻撃、など)を放置する方針なんだけれども、私は、それはよくないことだと思っている。しかも、やるだけやって諦めたらともかく、最初から「賑やかでよい」という姿勢なんだもの。

おかげで、勝間さんが関わっている本にまずまず好意的なレビューを書くと、もうそれだけで「参考にならなかった」票がポンポン入る。「参考になった」票が入るたび、一昼夜で対抗票が入る。私の他の本のレビューと比較して、勝間本のレビューだけそんなにひどいという理由があるなら、誰か説明してほしい。

これは以前、2chで話題になっていた福島瑞穂さんの著書のレビューを書いたときも同じだった。ネガティブキャンペーンを管理しなかったらレビューの存在意義は相当に毀損されてしまうのに、それを放置している Amazon にまず苛立つ。そして同時に、著者がそれをよしとしているのもやるせない。

もっとも、『ドラゴンクエストIX』の先例を見ても、レビューがどうあれ売れる商品は売れる。ネガキャンしたい人々をレビューの放置でガス抜きできるならリーズナブル、という判断は合理的かもしれない。

ふつうにレビューしたい人が逃げてしまうのはもったいない……とはいえ、Amazon にレビューするような読者はきわめて少数だから、彼らのレビュー意欲を削ぐようなレビュー環境を放置しても、多くの読者はとくに不満にも思わないだろう。好意的な評を書きたい読者は、Amazon を諦めて、twitterやブログを選択すればいいのかもしれない。

Amazon にたくさんレビューを投稿している珍しいタイプの人間としては、残念な話だ。

補記:

ひどいレビューを削除すればネガキャンは沈静化するのか? という問題は、たしかにある。小さな火種はそれで消せる(実例をいくつか見てきた)が、勝間さんクラスになると難しいかもね。

最後に付記するけれども、勝間本の場合、誹謗中傷とは一線を画した批判的なレビューがいくつもなされている。それを「ひどい」といっているわけじゃないので注意してほしい。

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