趣味Web 小説 2011-05-03

着替えと間取り

1.

家を買ったり建てたり引っ越したりする予定は全くないが、関心を持って眺めている連載記事。栃木県小山市に引っ越したら、新聞チラシに不動産の広告がとても多く、だんだん興味を持つようになった。私は最近まで知らなかったが、最近の無印良品は住宅の設計・販売や街づくりまで手掛けているのだそうだ。

記事に登場する間取りはいちいち説得力があり、「なるほど」と思える。それでいて、新聞チラシの中に同じような間取りは見当たらない。探し方が甘いだけかもしれないが、集合住宅の間取りって、時代によっていろいろ変遷はあれど、本当に定型化されてしまっているんだな、と感じる。

んー、でも、時代に応じた移り変わりは確かにあるので、十年一日のごとく保守的な設計を繰り返しているのではないことだけはたしかだ。生活動線についても、リンク先の記事とは別の視点から、きっと何か考えてはいるのだろうと思う。

例えば、古い集合住宅だと、主採光面にいくつもの部屋を並べていることが多い。だから南向きなら、リビングは南北に長くなる。私が育った団地でも、リビングと個室が横に並んでいた。

これが、2000年代の集合住宅になると、主採光面をリビングが占拠するのが当たり前。そして窓のない個室が登場。また各部屋を広くして部屋数を絞るのもトレンドみたい。90年頃の4LDKの面積だと、たいてい3LDKになってる。子どもが減ったのと、客間が不要になったという理由もあるのかな。あと和室がないのも特徴か。

2.

個人的に、洗面所と脱衣所が一緒になっている間取りというのは、客を呼ばないことが前提になっているのだろうな、と感じる。あと、「着替えをどこでどのようにするのか」について、きれいな答えを出している間取りって、見たことがないな。

「お姉ちゃんが下着で家の中を歩き回っていて困る」のは、基本的には当人の性格の問題だろうが、3割くらいは間取りの問題だと思う。「脱衣所には下着だけ持っていって、半裸で廊下を歩いて部屋に戻ってからきちんと服を着る」のがいちばん楽だし自然、という。ようするに、脱衣所が、ちゃんと着替えをできるようなスペースになっていないからいけない。

だけど、かなり広い部屋でも、脱衣所に大きなスペースは割いていないんだよな……。そんなことどうでもいいよ、という感じなのかもだけど。

あとはもちろん、入浴と無関係の着替えも問題。「いや、ふつうに部屋で着替えればいいでしょ」っていわれるのかもしれないけど、例えば、歳をとると片足立ちで靴下を履くのは無理だから、腰掛が必要になる。

あるいは、服選びの問題。クローゼットに吊るされた服から探すならいいけど、箪笥のようなものからセーターなどを取り出す場合、候補の服をどこに並べるのかという問題がある。私の狭い体験では、床にバラまいちゃう人が意外と多かった。けっこう髪の毛とか落ちてて、掃除機をかけてからにした方がいいんじゃ……と思ったけど、何もいえなかったな。

畳というのは、あれは床なんだけど、ほっぺたをくっつけていいもの、というか、それくらいいつも清潔にしておくべきもの的な前提があるから、それで畳に服を並べるならいいと思うのね。でも絨毯やフローリングに服を並べるのってどうなの、って思う。私が気にしすぎなのかなあ。

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