趣味Web 小説 2011-10-16

「慣習・しきたり」の裏に熾烈な自由競争あり

やっていることは市場競争と変わらない。

テレビ番組の違法アップロードなんて誰でもできる……と思いきや、今では、画質や編集がしっかりしていて、なおかつ投稿が早くないと全く人気が出ないのだそうだ。人気が出なければ、無断転載の動機となっている賞賛のコメントが得られないだけでなく、「検索の邪魔」「くそ画質www」などと罵倒されるという。

なので、結果的に自然淘汰が起きる。最速放映地域に暮らし、編集がていねいで、画質がよく、投稿が早い人だけが、賞賛コメントを追い風に動画を上げ続け、他の人は労力に見合った賞賛コメント(もしくは再生数)が得られないので、自然に脱落していく。

しかし、動画の編集もエンコードも手間のかかる作業だから、その道で一流の人が全てのテレビ番組を違法アップロードできるわけではない。二流以下の人には居場所がないが、一流半くらいの人なら、マイナーなテレビ番組を「担当」することで、そこそこの量の賞賛コメントを獲得することができる。

同じくらいの能力の人が、ひとつの番組の違法アップロード競争をしても潰し合いになるだけでメリットがないから、「この番組をこんな画質で何時頃にアップロードする」と犯罪予告で牽制しあって、結果的に棲み分けが起きる。

あまりの出世ぶりに老害が嫉妬して担当を奪い取ったパターンがあったな。

棲み分けがいつも実力通りならいいが、そうでない場合には、当然、賞賛コメントをめぐる競争になる。リンク先にある『まどか☆マギカ』の例の場合、放送が始まってから番組がブレイクしたので、事前予告の段階ではパスした実力者が、後からやってきて「違法アップロード需要」を掻っ攫っていったわけだ。

「棲み分け」は、人々の意識においては「慣習・しきたり」かもしれないが、その実態は「競争の結果」だ。したがって、実力のない者が大きな賞賛を受け続けることは、できない。「新人潰し」は起こるべくして起きた。新人かベテランかは、関係ない。実力のある者が大きな果実を得る。それだけのこと。

『まどか☆マギカ』の例でも、実力者の挑戦を受けた新人が実力者を上回るパフォーマンスを見せたなら、視聴者を奪われる結果にはならなかった。むしろ下克上のいい切っ掛けになったろう。

補足:

著作権法違反で逮捕されるリスクを背負ってまで違法アップロードをするには、やはり一定以上の賞賛が必要なのだろう。それゆえ、二流以下の人には居場所がない。

「違法Up動画需要という観点からみてマイナー」なテレビ番組を選べば、ライバルがいない。だが、たった数人しか感謝のメッセージを書いてくれないのでは、リスクに見合わない。不人気番組でも、逮捕されときの刑事罰は同じだからだ。

違法アップロードはキリがないので規制は不可能という声もあるが、テレビ番組丸上げで膨大な賞賛コメントを集めているのは、ひと握りの人々だ。自由競争の世界なので、実力のある者が圧勝し、自然と棲み分けが起きるほど狭い世界になっているわけだ。警察は、目立つ連中をさっさと全員逮捕してほしい。当然、誰かが代役を務めるのだが、3ヵ月後には、それも全員逮捕してほしい。

トップクラスに君臨して違法Up動画需要の大半をまかなっている人々は、競争が落ち着いた段階では、高々数十人でしかない。(違法アップロード)ときどき単発で人気を集める違法Up動画までは取り締まれなくても仕方ないが、日本犯罪大会の動画アップロード部門入賞者たちくらいは、全員逮捕してほしい。わざわざ悪党の側で「逮捕の見せしめ効果が高い犯罪者ランキング」を可視化してくれているのだから。

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