趣味Web 小説 2011-10-17

memo:「掌返し」は本当にあったのか

昨日に引き続き……。

今日は、逮捕の前後で視聴者のコメントがコロッと変わる残酷さについて。

たぶん、そのからくりは簡単なんだ。

もともと、違法にアップロードされた動画を歓迎している人の数%未満しか、感謝コメントを書いていない。しかも紹介されている例は、毎週放送されている番組の無断転載だから、それを歓迎する人々の大半は、転載後の数日間に1回だけ視聴してそれっきりだろう。逮捕後に舞い戻って、あらためて歓迎のコメントを書いたりはしない。既に動画は削除されているのだろうし……。

「逮捕ざまぁw」とか書いている側も少数派で、同様に思っている人の数%未満しか、コメントを残さない。また当然ながら、「逮捕ざまぁw」のコメントは逮捕の報道が出てから付く。その段階では違法Up動画の需要層は消費を終えているので、新しく付くコメントが逮捕歓迎一色になるのは自然なことだ。

違法Up動画を歓迎している人と、犯罪者の逮捕を喜んでいる人は、基本的には別人なのだ。しかし際立った個性のない大量のコメントを眺めるとき、それを個人に還元して捉えることは難しく、「集団」として捉えることになる。すると、擬似人格としてのコメント集団が、逮捕の前後でコロッと態度を変えたかのように見える。無意識や直感に頼ると、どうしても、そういう把握の仕方になってしまう。

私もこうした錯覚に振り回されがちなので、よく注意しなければならないと思う。

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