以前、調べたときに、「近親相姦の是非は思想・信条の問題」ということで、私の中では決着した。自分の思想を裏付ける科学的事実は針小棒大に認識されるので注意が必要。近親相姦による遺伝的疾患の広まりなど、その絶対値を見れば、「どうでもいい」レベル。この程度のことで近親相姦を現在そうあるほど強く忌避することを正当化できるなら、飲酒や喫煙も法律で禁止すべき。
『ハーバード白熱教室』的にはリバタリアニズムとリベラリズム+共同体主義の対立かな。日本では次第にリバタリアンが増えてきたので、リベラルな人や共同体主義者がイラ立っている。ようは価値観の違いなので、異なる前提からどんな言葉を紡いでも届かない。
内田さんは共同体主義を訴えているのだと思う。共同体主義から完全に自由な人は滅多にいないので、リベラルな人の言葉よりは、大勢に届きそう。でも劣勢を覆す力はなさそう。
ところで、リベラルな人は、内田さんのような主張をどう感じるのだろう。とりあえず目の前のひとつの政策課題については共闘できるとしても、共同体主義とリベラリズムとは基本的な発想の違いは明らか。話題が変われば、すぐに見解の相違が表面化するだろうし……。