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1.

私が「どうでもいい」と判断することを「大問題だ!」と騒ぐ人(Aさん)がいたら、「そりゃおかしいだろ」といいたくなるのは自然なことだ。そのとき私が問題視しているのは「瑣末なことをことさらに問題視して大騒ぎすること」であって、Aさんが問題視していたことは「どうでもいい」ままである。

「どうでもいいことならスルーするのが自然」とかいって反論した気になってる人は、日本語の能力か、論理を把握する能力に問題がある。

2.

例え話を試みる。

裁縫糸をハサミで切るとき、糸に斜めに刃を当てるか、垂直に当てるかで悩んでいる人(Bさん)がいたとする。斜めに切る方が針に糸を通しやすい。しかし糸がほつれやすくもなるから、素直に垂直に切る方がいいかもしれない。それに対してCさんが「どちらでも大差ない。どうしても気になるなら、両方試せばいいだけだ。悩んでいるのはバカらしい」と、いったとする。

Cさんが問題視しているのは、「どうでもいいことでBさんが悩み、作業が止まっていること」だ。「糸を斜めに切るか垂直に切るか」は、Cさんにとって「どうでもいいこと」である。というか、それが「どうでもいいこと」だからこそ、そんなことで悩むBさんに、Cさんは何かいわずにはいられなかったのだ。

このときCさんに「どうでもいいことならスルーすればいいのに」というのは、まるで的外れだ。実際、Cさんは糸の切り方には頓着していない。どっちでもいいことなのだから、頓着しないのは当然だろう。

この程度の話はスーッとわかってもらいたい。しかし理解できないんだか、理解する気がないんだか、とにかく話の通じない人が世の中には多くて困る。

3.

ここから注意して読んでください。

ちなみに今回の件についていうと、otsuneはネタだから許されるという風潮という記事が提起しているのが「どうでもいい問題」だとは、私は思わない。しかし、「どうでもいい」という感想を持つ人がいても不思議はない。そして、「どうでもいいならなぜスルーしないのか」というイチャモンには、カッチーンときた。それで、こんな記事を書きました。

どう? わかります? そんなに難しいことを書いているつもりはないんだけど、どうもこういう話って、まともに通じる相手の方が少ないんだよね。

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この記事では鳥山明『銀河パトロール ジャコ』『COWA!』『SAND LAND』の物語を、結末まで明かしています。ご注意ください。

1.

昨日の記事では「私は『ジャコ』が大好き」という話をしたが、具体的に褒めたのは作画だけだった。いま鳥山明先生のお薦め作品を問われたとして、あまり『ジャコ』を薦めたいとは思わない。素直に『COWA!』か『SAND LAND』にしたい(どちらも品切れになっているのが悲しすぎる……)。

それは何故かというと、『ジャコ』は話が盛り上がらないからだ。

2.

「話が盛り上がる」ためにはふつう、「これからどうなるか」が作中人物と読者の両方に提示されていること、ある程度の切迫感があること、などが必要だと思う。

『COWA!』の場合

村で楽しく暮らしていたオバケたちの間でオバケ風邪が蔓延する。急いで薬を手に入れなければ、オバケたちは死んでしまう。追い詰められた主人公らは、怖い人間の助けを借り、オバケ風邪の薬を求めて旅に出る。騒動を起こしつつも目的地へ向かって進む主人公たちだったが、一人、また一人と仲間が病に倒れていく。やっとたどり着いた魔女の森には、最強のモンスターが待ち構えていた……。

危機が提示され、村を出て街を経由して魔女の森へ……というRPG的王道展開。その過程で仲間も病に倒れ、危機に追われる切迫感の表現も十分。きちんと、盛り上がる物語の型を押さえている。そこにギャグやホロリとするような展開をふんだんに織り交ぜ、話を重たくしないのがいかにも鳥山作品らしい。

『SAND LAND』の場合

干からびた世界。悪魔の王子は、父の命を受け、人間の老人とともに「幻の泉」を求めて旅立つ。ピンチ、またピンチ。しまいには、なぜか国王軍にも狙われる。その理由が明らかになったとき、主人公らの旅の最終目的地もまた定まる。決戦、そして……。

危険がいっぱいの旅はピンチの連続で、中だるみするところがない。物語が進むにつれ、次第に謎が解け、話が大きくなっていく。巨悪の構図が明らかになったところで勃発する最終決戦、そして水源解放の場面は、大いに盛り上がる。

『ジャコ』の場合

数日後に飛来する凶悪な宇宙人から地球を守るため、銀河パトロールから派遣されたジャコは、宇宙船を月にぶつけ、大盛博士の島に不時着する。博士はタイムマシンの研究者だったが、過去に実験の失敗により家族を失っていた。いまもタイムマシンは未完成で、時を数秒止めることしかできない。一方、近くの島では宇宙ロケットの打ち上げが迫っていた……。

物語は、ジャコと博士が出会い、宇宙船の修理に取り組む過程を描く。町でロケットに乗る予定のヒロインと知りあい、そのときの騒動で政府から目をつけられ……と展開するが、一向に盛り上がらない。予告された「凶悪な宇宙人の飛来」が切迫感を生みそうなものだが、そうならない。宇宙船に武器はなく、ジャコは徒手空拳で宇宙人と戦う予定だった。移動だけなら代替手段があり、宇宙船の修理は究極的には母星への帰還が目的だから、急がねばならない決定的な理由がない。

物語の結末から振り返れば、ロケットの打ち上げまでに宇宙船を修理し、燃料のスカイゴールドを入手する必要があった。博士たちの行動は、綱渡りの日程をギリギリ走り抜けたものだった。

しかし博士らは、「その日、ロケットが墜落する」ことも、「ヒロインを助けるためには宇宙船の修理と燃料の確保が必要」なことも知らなかった。だから、実際の博士たちの行動は行き当たりばったりで、切迫感に欠けている。そして読者も、「大きな話が進んでいる実感」を得られなかった。

3.

主人公らに何もかも見えすぎている物語には驚きがないが、主人公らに何も見えていない物語も、面白くするのは難しい。

なんとなく宇宙船を修理し、なんとなく女の子を助け、たまたまスカイゴールドをお礼にもらい、そうして動くようになった宇宙船とタイムストップマシンで、ロケットの墜落から女の子を助ける。全部、行き当たりばったり。

『ジャコ』の物語には、すっとぼけたリアル感がある。「知らず知らずの内にやってきたことの積み重ねで危機を回避する」のは、『ジャコ』らしいし、「そういうことってあるよね」みたいな共感もある。が、やっぱりそれでは、話が盛り上がらない。

「だからダメだ」とはいわない。なにせ、私自身は気に入ったのだ。でも、『ジャコ』を「つまらない」という人の意見も、よくわかる。

最初から本編10話+オマケ1話と予告されており、序盤に提示された要素から先の展開を考えれば、ロケットの打ち上げがクライマックスになることは最初からわかっている。著者の狙いとしては、メタ情報を有する読者は自ずと切迫感を覚えて盛り上がってくれるだろうから、あえて作中ではのんきな雰囲気を保とうとしたのかもしれない。

でも通常の漫画の読み方というのはそうではなくて、キャラの必死さや頑張りが読者の感情を揺り動かすものだ。「ジャコが宇宙人とばれて大騒ぎになったら嫌だな」くらいのドキドキ感で動いている博士や、マイペースにふるまうジャコを見ても、気分は高揚しない。

むしろ『ジャコ』がF先生の生活漫画のように、変わったキャラたちの日常を描く作品だったなら、それが週刊少年ジャンプ的かどうかは別として、いま私が書いているような不満は見当違いだったかもしれない。しかし実際の『ジャコ』は、クライマックスのために要素を積み重ねていく漫画だったのだ。

唐突にクライマックスが訪れ、たまたま問題解決の条件が整っていたので、「めでたし、めでたし」な結末に至る……そんな物語構成でいいの? という思いは拭えない。

平成25年10月1日

鳥山明先生の『銀河パトロール ジャコ』が読みたくて、『週刊少年ジャンプ』を11号連続で購読してきたが、今回で一区切りとなる。私が漫画誌を定期購読するのは初めてのことで、個人的には新鮮な体験だった。

1.

私は藤子・F・不二夫先生の漫画が好きで、全集を予約購読している。毎月、F先生の漫画が1〜3冊送られてくるのが嬉しい。もうすぐ完結してしまうのが残念だ。

そんな私からすると、ジャンプ掲載作品の大半は、絵柄が好みでない。「いまどきの漫画って描き込みがすごいな」と感嘆したが、「わかりにくい絵が多い」という印象も受けた。いろいろ感心はしても、私の中で作品の評価を高めることには、イマイチつながらない。「そんなことより、わかりやすくしてほしい」と思ってしまうのだった。

とはいえ、いまF先生がジャンプに連載を持ったとして、たぶん大きな人気は得られないのだろう。ずっとジャンプを買ってこなかった私の意見に、さしたる意味はない。たぶんF先生のような絵柄の作品がひとつふたつ登場したところで、どうせ私はジャンプを購読しないだろうからだ。

私がジャンプを購読してこなかったことには様々な理由があり、ひとつふたつ希望が満たされても足りない。そして、すべての希望が満たすなど、とうてい現実的な話とは思えない。

私は所詮、無理難題を口にし続けるばかりの、「意見を聞くに値しない相手」の一人だろう。

2.

『ジャコ』の絵は非常に見やすい。誰が何をどうしているのか、明確にわかる。意外と、これって難しい要求なんだな……というのが、ジャンプを11号分読んできての実感だ。

「わかりやすい=単純でつまらない」ということではない。『ジャコ』では、会話が続く場面でも、大胆にカメラを動かし、画面に動きがある。ジャンプの他作品と比較して俯瞰や斜めからの構図が多く(本当にそうなのかは調べておらず、単なる印象論です)、各キャラの配置や周囲の状況などを、立体的に把握できた。

十分に時間をかけて仕上げた作品ということもあり、これまで鳥山先生が描くのを面倒くさがって(なるべく)避けてきたシーンが頻出するのも嬉しい。大勢の通行人が行き交う街や、生活観のある部屋、などなど。細かいところまで描き込まれているのに、画面がうるさくない。見せたいものがくっきり見えている。

漫画らしい省略もいい。アクションシーンでは、寄り、引き、中抜きをうまくつかい、複雑なアクションを少ないページでスピード感のある表現でまとめている。F先生の系譜を現代的にアップデートしたらこうなるのだ……と個人的には思っている。

鳥山先生の絵は立体にしやすい、ゲームにしやすい、といわれる。「絵だから成り立つウソ」が少ない。と同時に、漫画だからできる表現(コマ割の妙、とくにコマ面積の操作など)も豊富で、大判の雑誌で読む楽しさも、大いにあった。

3.

私はケチな性分なので、ジャンプ掲載作品は全て読んだ。ただ、情報ページや読み物記事までは、さすがに手が回らなかった。サッカー選手のインタビュー記事とか、投稿コーナーとか、たぶん読んでみたら面白かったのだろうが、読まずじまい。

せっかく全作品を読むのだし、たぶん私は『ジャコ』の連載が終ったら講読をやめてしまうのだろうから、たった11回くらい、きちんとアンケートを出そうと思った。

ジャンプのアンケートはがきは、両面に質問が印刷されている。表面は毎号、「週刊少年ジャンプ**号の中で、面白かったもの3つを、面白かった順に番号で書き入れてください」となっている。裏面の質問は毎回異なるが、新連載や読切作品があれば、それに関する質問が並ぶ。なお、私が読んだ11号の間では、連載中の作品についての詳細な質問は一度もなかった。

ジャンプを『ジャコ』目的で買い、真っ先に『ジャコ』を読む私にとって、「面白かった作品」は実質的に2つしか選べない。これには毎回悩まされた。

私のような新規読者からすると、1話だけ読んでも楽しい作品は、自ずと印象がよくなる。『恋するエジソン』『斉木楠雄のψ難』『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(あといちおう『銀魂』)など、ギャグ中心の作品はとっつきやすかった。ある意味、それは当然のことだと思う。

4.

個人的に注目していたのは、ストーリー系(あるいはバトル系)の作品が、いつ私のトップ3に食い込んでくるか。あるいは逆に、どの作品が最後まで「わけわからん」のままなのか。

11号(お盆の合併号を含む)で延べ33作品に投票したが、購読中の連載作品と投票回数は下表の通り。計算が合わないのは読切作品に2票投じているからだ。

2013年33〜44号の連載作品と投票回数
No.作品名連載開始投票回数
1こちら葛飾区亀有公園前派出所1976年42号2
2ONE PIECE1997年34号
3NARUTO -ナルト-1999年43号
4BLEACH2001年36・37合併号
5銀魂2004年02号3
6トリコ2008年25号
7黒子のバスケ2009年02号
8べるぜバブ2009年13号
9ニセコイ2011年48号1
10ハイキュー!!2012年12号
11斉木楠雄のΨ難2012年24号4
12暗殺教室2012年31号3
13クロス・マネジ2012年42号1
14食戟のソーマ2012年52号
15恋するエジソン2013年10号1
16ワールドトリガー2013年11号3
17SOUL CATCHER(S)2013年24号
18無刀ブラック2013年25号
19スモーキーB.B.2013年26号
20銀河パトロール ジャコ2013年33号11
21クロクロク2013年35号1
22ひめドル!!2013年36号1
23HACHI -東京23宮-2013年42号
24恋のキューピッド 焼野原塵2013年43号

私は月曜にジャンプを買い、アンケートは火曜の朝に書いていた。投票基準は、「朝起きてアンケートはがきに向かったとき、内容をパッと思い出せたもの」とした。毎回『ジャコ』の内容はいちばんに思い出せたから、私にとって『ジャコ』は本当に不動の1位だった。問題は2位以下だ。

結果を見れば、『斉木楠雄のΨ難』『暗殺教室』『ワールドトリガー』が健闘している。『こち亀』と『銀魂』は、ジャンプを購読していなくともある程度の前知識があり、初期にとっつきやすかったという事情がある。だから、ジャンプを購読するまで内容を知らなかった作品で3回以上投票した作品は、とくに印象深い。

逆に最初から最後まで理解不能だったのが『NARUTO』『トリコ』『べるぜバブ』『無刀ブラック』『BLEACH』あたり。どんな人たちがなぜ戦ってるのか、とうとうわからないままだった。

ああ、あと、スマホアプリ『ジャンプLIVE』の解説漫画が毎回妙に面白くて、本誌の作品よりそちらの方が先に頭に浮かぶのには困った。番号一覧にジャンプLIVE解説漫画というのがあれば、きっと2位に推していたと思う(あったけど私が見落としてただけだったらごめんなさい)。

5.

さて、来週から、どうしようか。最初は月曜の夕方に「ジャンプを買って帰る」生活だったのが、途中から「出勤時にジャンプを買う」ようになり、毎週月曜は荷物が増えてしまっていた。それだけハマったということなんだけど、「やっぱりこの体積と質量がつらいな」ということも実感した。

電子版のジャンプは、iOS端末もAndroid端末も持ってないから、無理だな。というか、どうやら私は、何らかの理由を見つけて、いったんジャンプと距離を置こうとしているらしい。その理由はわからない。ジャンプは大きい、重い、電車に乗り遅れそうになってまで買うのがつらい、それ電子版で解決できるよ、でも解決する気がない、という謎な状態。

ところで、『ジャコ』の単行本は2014年1月発売予定だそうだ。どうしてそんな先なの……。

私は鳥山作品だと『COWA!』と『SAND LAND』が大好き。どちらも単行本で読んだ。ただ、『COWA!』の単行本は、連載時にカラーか3色刷りだったらしい第2話が、モノクロで非常に読みにくいのが不満。夜のお化けの世界を舞台としているため、カラー原稿をそのままモノクロにすると全面グレーになってしまう。

『ジャコ』はジャンプLIVEにも掲載された。だから(と強引につなげてしまうが)『ジャコ』単行本化のついでに『COWA!』の完全版を、電子書籍で発売してはくれまいか?

とはいえ、ここで書いても編集部の方が読むとは思えないので、アンケートとは別に、編集部宛に葉書を出した。