趣味Web 小説 2013-10-01

初めての週刊少年ジャンプ定期購読

鳥山明先生の『銀河パトロール ジャコ』が読みたくて、『週刊少年ジャンプ』を11号連続で購読してきたが、今回で一区切りとなる。私が漫画誌を定期購読するのは初めてのことで、個人的には新鮮な体験だった。

1.

私は藤子・F・不二夫先生の漫画が好きで、全集を予約購読している。毎月、F先生の漫画が1~3冊送られてくるのが嬉しい。もうすぐ完結してしまうのが残念だ。

そんな私からすると、ジャンプ掲載作品の大半は、絵柄が好みでない。「いまどきの漫画って描き込みがすごいな」と感嘆したが、「わかりにくい絵が多い」という印象も受けた。いろいろ感心はしても、私の中で作品の評価を高めることには、イマイチつながらない。「そんなことより、わかりやすくしてほしい」と思ってしまうのだった。

とはいえ、いまF先生がジャンプに連載を持ったとして、たぶん大きな人気は得られないのだろう。ずっとジャンプを買ってこなかった私の意見に、さしたる意味はない。たぶんF先生のような絵柄の作品がひとつふたつ登場したところで、どうせ私はジャンプを購読しないだろうからだ。

私がジャンプを購読してこなかったことには様々な理由があり、ひとつふたつ希望が満たされても足りない。そして、すべての希望が満たすなど、とうてい現実的な話とは思えない。

私は所詮、無理難題を口にし続けるばかりの、「意見を聞くに値しない相手」の一人だろう。

2.

『ジャコ』の絵は非常に見やすい。誰が何をどうしているのか、明確にわかる。意外と、これって難しい要求なんだな……というのが、ジャンプを11号分読んできての実感だ。

「わかりやすい=単純でつまらない」ということではない。『ジャコ』では、会話が続く場面でも、大胆にカメラを動かし、画面に動きがある。ジャンプの他作品と比較して俯瞰や斜めからの構図が多く(本当にそうなのかは調べておらず、単なる印象論です)、各キャラの配置や周囲の状況などを、立体的に把握できた。

十分に時間をかけて仕上げた作品ということもあり、これまで鳥山先生が描くのを面倒くさがって(なるべく)避けてきたシーンが頻出するのも嬉しい。大勢の通行人が行き交う街や、生活観のある部屋、などなど。細かいところまで描き込まれているのに、画面がうるさくない。見せたいものがくっきり見えている。

漫画らしい省略もいい。アクションシーンでは、寄り、引き、中抜きをうまくつかい、複雑なアクションを少ないページでスピード感のある表現でまとめている。F先生の系譜を現代的にアップデートしたらこうなるのだ……と個人的には思っている。

鳥山先生の絵は立体にしやすい、ゲームにしやすい、といわれる。「絵だから成り立つウソ」が少ない。と同時に、漫画だからできる表現(コマ割の妙、とくにコマ面積の操作など)も豊富で、大判の雑誌で読む楽しさも、大いにあった。

3.

私はケチな性分なので、ジャンプ掲載作品は全て読んだ。ただ、情報ページや読み物記事までは、さすがに手が回らなかった。サッカー選手のインタビュー記事とか、投稿コーナーとか、たぶん読んでみたら面白かったのだろうが、読まずじまい。

せっかく全作品を読むのだし、たぶん私は『ジャコ』の連載が終ったら講読をやめてしまうのだろうから、たった11回くらい、きちんとアンケートを出そうと思った。

ジャンプのアンケートはがきは、両面に質問が印刷されている。表面は毎号、「週刊少年ジャンプ**号の中で、面白かったもの3つを、面白かった順に番号で書き入れてください」となっている。裏面の質問は毎回異なるが、新連載や読切作品があれば、それに関する質問が並ぶ。なお、私が読んだ11号の間では、連載中の作品についての詳細な質問は一度もなかった。

ジャンプを『ジャコ』目的で買い、真っ先に『ジャコ』を読む私にとって、「面白かった作品」は実質的に2つしか選べない。これには毎回悩まされた。

私のような新規読者からすると、1話だけ読んでも楽しい作品は、自ずと印象がよくなる。『恋するエジソン』『斉木楠雄のψ難』『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(あといちおう『銀魂』)など、ギャグ中心の作品はとっつきやすかった。ある意味、それは当然のことだと思う。

4.

個人的に注目していたのは、ストーリー系(あるいはバトル系)の作品が、いつ私のトップ3に食い込んでくるか。あるいは逆に、どの作品が最後まで「わけわからん」のままなのか。

11号(お盆の合併号を含む)で延べ33作品に投票したが、購読中の連載作品と投票回数は下表の通り。計算が合わないのは読切作品に2票投じているからだ。

2013年33~44号の連載作品と投票回数
No.作品名連載開始投票回数
1こちら葛飾区亀有公園前派出所1976年42号2
2ONE PIECE1997年34号
3NARUTO -ナルト-1999年43号
4BLEACH2001年36・37合併号
5銀魂2004年02号3
6トリコ2008年25号
7黒子のバスケ2009年02号
8べるぜバブ2009年13号
9ニセコイ2011年48号1
10ハイキュー!!2012年12号
11斉木楠雄のΨ難2012年24号4
12暗殺教室2012年31号3
13クロス・マネジ2012年42号1
14食戟のソーマ2012年52号
15恋するエジソン2013年10号1
16ワールドトリガー2013年11号3
17SOUL CATCHER(S)2013年24号
18無刀ブラック2013年25号
19スモーキーB.B.2013年26号
20銀河パトロール ジャコ2013年33号11
21クロクロク2013年35号1
22ひめドル!!2013年36号1
23HACHI -東京23宮-2013年42号
24恋のキューピッド 焼野原塵2013年43号

私は月曜にジャンプを買い、アンケートは火曜の朝に書いていた。投票基準は、「朝起きてアンケートはがきに向かったとき、内容をパッと思い出せたもの」とした。毎回『ジャコ』の内容はいちばんに思い出せたから、私にとって『ジャコ』は本当に不動の1位だった。問題は2位以下だ。

結果を見れば、『斉木楠雄のΨ難』『暗殺教室』『ワールドトリガー』が健闘している。『こち亀』と『銀魂』は、ジャンプを購読していなくともある程度の前知識があり、初期にとっつきやすかったという事情がある。だから、ジャンプを購読するまで内容を知らなかった作品で3回以上投票した作品は、とくに印象深い。

逆に最初から最後まで理解不能だったのが『NARUTO』『トリコ』『べるぜバブ』『無刀ブラック』『BLEACH』あたり。どんな人たちがなぜ戦ってるのか、とうとうわからないままだった。

ああ、あと、スマホアプリ『ジャンプLIVE』の解説漫画が毎回妙に面白くて、本誌の作品よりそちらの方が先に頭に浮かぶのには困った。番号一覧にジャンプLIVE解説漫画というのがあれば、きっと2位に推していたと思う(あったけど私が見落としてただけだったらごめんなさい)。

5.

さて、来週から、どうしようか。最初は月曜の夕方に「ジャンプを買って帰る」生活だったのが、途中から「出勤時にジャンプを買う」ようになり、毎週月曜は荷物が増えてしまっていた。それだけハマったということなんだけど、「やっぱりこの体積と質量がつらいな」ということも実感した。

電子版のジャンプは、iOS端末もAndroid端末も持ってないから、無理だな。というか、どうやら私は、何らかの理由を見つけて、いったんジャンプと距離を置こうとしているらしい。その理由はわからない。ジャンプは大きい、重い、電車に乗り遅れそうになってまで買うのがつらい、それ電子版で解決できるよ、でも解決する気がない、という謎な状態。

ところで、『ジャコ』の単行本は2014年1月発売予定だそうだ。どうしてそんな先なの……。

私は鳥山作品だと『COWA!』と『SAND LAND』が大好き。どちらも単行本で読んだ。ただ、『COWA!』の単行本は、連載時にカラーか3色刷りだったらしい第2話が、モノクロで非常に読みにくいのが不満。夜のお化けの世界を舞台としているため、カラー原稿をそのままモノクロにすると全面グレーになってしまう。

『ジャコ』はジャンプLIVEにも掲載された。だから(と強引につなげてしまうが)『ジャコ』単行本化のついでに『COWA!』の完全版を、電子書籍で発売してはくれまいか?

とはいえ、ここで書いても編集部の方が読むとは思えないので、アンケートとは別に、編集部宛に葉書を出した。

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