初級者向けの HTML リファレンスです。類書と比較して版型は小さめですが、フルカラーでメリハリの効いた紙面が見やすいでしょう。文字が大きくないこともあり、すっきりした印象があります。
さて、HTML のリファレンスには、1.HTML の基本的なルール 2.各要素の意味・使い方 3.各種属性の意味・使い方 4.各要素の入れ子規則 以上4点をきちんと解説していただきたいところです。本書は、第3項までは(初級者の誤解を招く妙な解説も散見されるものの)及第点ですが、問題は第4項です。
要素の入れ子規則については、簡単な総則が冒頭にある基本ルール集の中で紹介されています。それ以外に、きちんとした解説はありません。しかし、項目数を絞る代わりにサンプルを大きく扱うのが特徴の本書では、サンプルに添えられた注釈の中で多くの重要な説明を行っています。要素の入れ子規則についても解説がありますので、よく注意してください。しっかり読み込めば、本書はなかなか役立ちます。
とはいうものの、私はやはり、リファレンスは正確な解説を志向している本(例えば「プチリファレンスHTML」)をお勧めしたいのです。リファレンスは長く使うものです。初級者向けに(一部とはいえ)嘘とごまかしがある本には不安があります。