Book Guide 2004-07-18

Webデザインの基礎

Web サイト作成の入門書です。大学や高専のテキストとして編纂されています。内容に問題があり、薄い本の割に値段も高く、一般の方には勧めません。

高等教育機関の教官はアイデア豊富である一方、知識・教養の偏りのため独善に陥りがちです。本書は JavaScript より学習しやすい、という理由で VBScript を紹介するのですが、通常 Web デザインの入門書としてこの選択はありえません。Windows 機以外は基本的に VBScript の実行環境を搭載していません。学習負担に大差ない以上、WWW でデファクトスタンダードとなっている JavaScript を教えるのが妥当です。

本書はこうした偏った解説で全編が貫かれており、随所に著者独特の意見が忍び込んでいます。少ないページに要点を整理して詰め込み、薄い本で多くの内容を解説するスタイルも含めて、良くも悪くもいかにも日本の教科書らしい本です。紙面はモノクロで素気なく、とっつきにくい感じがします。まずワークフローを解説し、続いて素材の準備を説明、そして HTML を紹介する展開は素晴らしいだけに、残念です。

講義用のテキストをお探しの方には、易しく正しい入門テキスト「30時間でマスター インターネット2 HTML+メール」の検討を進めます。自習用解説書をお求めの方には「HTMLとスタイルシートによる最新Webサイト作成術」を勧めます。

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