Web デザインの中級解説書です。図解を中心に Web サイトを構築することを説く本書ですが、最大の欠点は、著者の Web サイト「久恒啓一図解ウェブ」の人気が平凡だということです。図解と無縁の私の Web サイトの方が10倍も多くの訪問客を集めています。
客観的データの提示を喧伝していますが、結局のところ、著者の勧めるような図解が高い効果を上げることをズバリ証明するデータは出てきません。たぶん素晴らしいのではないか、という予断を導くデータがあるだけです。著者には自分や知人の体験・感覚を安直に一般化する傾向があります。図解と無縁の Web サイトに著者の体験とは比較にならない大成功を収めた実例が多々あるのに、それは知らんぷり。
読物としては面白いですし、証拠となるデータの欠落はあれど著者の意見に一定の説得力があるのも事実でしょう。しかし本書の内容を真に受けるのは、いかがなものでしょうか。著者の主張は足元が怪しい、という事実はきちんと押えておくべきだと思います。