HPB8 の初級解説書です。本書は操作手順をすべて図解しているため、たくさんの画面写真と解説の吹き出しが大きな紙面を埋め尽くしています。パッと見には、非常に情報量が多く見え、ごちゃごちゃとした印象さえ受けます。しかし実際に作業しながら解説を読み進めると、本書の親切さに感動されるでしょう。
本書は大型本でありながら200ページ以上もあり、しかも紙面には情報がぎっしり詰まっていますから、しっかり読み込めばかなりの知識が得られます。というと初級者の方はしり込みされるかも知れませんが、安心してください。本書は、途中で放り出しても問題ないよう、螺旋階段を上るような構成になっているのです。序盤をきちんと読めば、最低限の内容は身につきます。中盤を読み込めば、標準的な操作をマスターできます。最後まで読めば、応用領域にも手が届きます。類書には珍しい構成といえましょう。
本書の構成は、見方を変えれば欠点ともなります。同じ技術領域の話題がレベル別に分断されるわけですから、ある種の操作を基礎から応用まで概観するには向きません。当然、目次もすっきりしません。しかし、初級者は何かと挫折しやすいものです。最後の章まで読まねば Web サイトが完成しない本より、本書を選ぶ方が現実的ではないかと思います。