Book Guide 2004-09-09

Wordの掟

Word の中級解説書です。Word は不勉強な人でも実用に使える反面、利用歴の長い人は「予想外の挙動」に不満を持っています。しかし Word は本来、挙動不審なアプリケーションではありません。不思議に見える動作は効率的な文書作成を支援する機能の働きであり、そこにはルール(掟)があります。本書は、これまで大半の解説書が無視してきた Word のルールを詳解します。

Word は小さな機能の寄せ集めではなく、全体を統括する構想があります。機能の充実に伴いウィザードやダイアログのデザインは改変を繰り返していますが、スタイルベースの書式設定、図表や罫線の基本的な考え方、テンプレートの重要性といった基本思想は不動でした。表面的な操作手順の知識はすぐに陳腐化します。ルールの理解が大切です。根幹の思想を押さえておけば、具体的操作手順は自力で発見・理解できます。

ルールを理解すれば、Word は素晴らしく便利になります。おせっかいとしか思われなかった各種の機能とも、上手に付き合えるようになります。Word が思い通りにならず悩んでいる中級者に、私は本書を勧めます。ただし初級者の方にはちょっと難しいでしょう。初級者向けには「文書作りでつまずくWordのしくみと落とし穴」という傑作がありますので、ぜひそちらをご検討ください。

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