Book Guide 2004-12-21

ブログの力

非常に地味かつ特異な本です。著者は謙虚なブログユーザで、技術革新を素直に歓迎し、あちこちで学んだ知識を読者にお裾分けしてくれます。全知全能の先生がバリバリ説明する、というスタイルではない。

実際、本書の内容には間違い(といって悪ければ、知識や視野の狭さゆえに「木を見て森を見ず」となっている説明)が多々あります。例えばウェブログの発祥について、レンタルブログサービスの登場により、ウェブログの本質が、サイトの(更新)スタイルからツールやシステムへすりかわって以降の流れしか示さない。しかし著者の「程度」を赤裸々に明かした解説スタイルは、他書にない堅実な「重さ」を有しています。

また、読者としてブログをどう読んだら楽しいか、ていねいに説明していることも目を引きます。大半の類書はブログをはじめたい書き手のための解説書なのですが、さすが中高年をターゲットにした1冊といえます。

一方、レンタルブログサービスの利用法の詳細な図解などなく、当然パソコンの操作法など一言もなし。WWW というのはサーバと個々のユーザのパソコンがケーブルでつながっていて……という説明もない。つまり、パソコンが使えて、ネットにも慣れている、そんな方を対象読者としているわけです。技術的な話はアッサリしており、いかにブログを運営していくか、といった話が後半のメインとなります。

よい本ですが、中級ユーザには退屈でしょう。初心者、初級者に勧めます。なお「ウェブログ超入門!」と比較検討されるとよいでしょう。

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