ニフティのレンタルブログサービス「ココログ」にて有名人ブログ枠で快調にとばしている「日刊!木村剛」の集成版。順調に刊行ペースが落ち、第3巻にして早くも季刊誌になってしまった「月刊!木村剛」ですが、内容は面白いですよ。
ただ、雑誌としての弱さは否めません。木村さんがテーマに取り上げている内容は、いずれも長いスパンで取り組んでいく他ない課題です。本来、月刊誌であれば、同じテーマの特集を2号続けることはせず、また1号毎に一定のまとまりを持った内容の記事を読者に提示していかねば商品になりません。しかし本書は、日刊ペースで書かれた記事をまとめたものなので、月替わりのテーマ・切り口が不明確であり、また、暫定的な結論もない。
年単位ならば、こうした日々の記録の集成も、時代のスナップショットとして有意義なのでしょうけれども、月刊誌としてはどうか。この調子では、今後もずるずると刊行間隔が開いていき、ついには「木村剛年鑑」になってしまうのではないか、と危惧します。
本来、こういう本は、サイトの読者がファングッズ的な買い方をして支えていくべき商品(売れない漫画の単行本のようなもの)です。今は無料で読めるウェブ上の情報も、数年後には消えていますよ。将来、また読み返したいと思うなら、本の形で所有しておくのが安全確実だと思いますが……。