ブログ運営の初級解説書です。中高年向けの内容、体裁、解説スタイル。地味ながら、内容はよくまとまっています。
本書の顕著な特徴は、一介のブログユーザの視点から手探りで書かれていることです。面白いアイデアに出会っては感心し、賢者と信ずる人の話を謙虚に拝聴し、素朴な感想を結論として提示していきますから、言葉のひとつひとつに現実的実感がこもっています。
おそらく、ブログ運営の中級者や、すでに「成功」体験のある方には退屈な本でしょう。著者の見ている世界がパーソナルな関心領域をほとんど越えていないにもかかわらず、結論を一般化していることへの不安・不満もあろうかと思います。しかし地に足の着いた本の存在意義は小さくないと思います。
たいていのブログが陥る「書くことがなくなった」「無反応でがっかり」問題は、本書においても重要課題となっています。多くの処方箋が示されますが、結論は「万能の特効薬はない」。リアルに徹すれば、当然そういうことになります。本書には、ブログを続ける意義について考えるきっかけがたくさん用意されています。
あっさり読了して「いろいろ勉強になったなあ」という読み方もアリですが、じっくり考えながら読むことをお勧めしたいですね。