Book Guide 2008-12-21

テイルズ オブ ハーツ CGムービーエディション(特典無し)

テイルズ オブ ハーツ CGムービーエディション(特典無し)

ムービー以外は「アニメ版」

天涯孤独の身となった主人公が、砕け散った少女の心の欠片を探して世界を駆け巡るRPG。

私はアニメ版の方をプレイしていますが、CG版も触れる機会がありましたので少しだけ。アニメ版とCG版の違いはムービーのみで、ゲームの内容はアニメ版がベースとなっています。たとえばフェイスチャットやステータス画面、秘奥義カットインのキャラ画像などは、全てアニメ版の絵柄そのままなのです。

ゲーム制作費高騰の流れが止まらない中、とくに高コストなRPGは海外市場を意識せざるをえなくなってきています。ドラゴンクエストがよく売れる日本国内と異なり、海外では低頭身のアニメ風キャラクターはビジュアル的に入り口で拒絶されがち。テイルズがリアル志向の3D表現を採用したこと自体に多くの批判が出ていますが、チャレンジの意図は理解できます。

しかしムービーよりチャットの方が接する回数も時間も遥かに多いわけです。ときどき出てくるムービーだけリアル志向でも、アニメ表現を受け付けない人はやっぱり投げ出すのではないでしょうか。ムービーのみの差し替えは安直に思えます。

CGの出来についても批判的な意見が多いようです。たしかにヒロインの顔などは、日本人にはあまりウケそうにありませんが、北米のゲームと見比べるとあまり違和感がありません。北米市場を狙うにせよ、テイルズは今後も国内販売が主となることが予想されます。アニメ版で保険をかけたTOHは、日本市場の許容範囲を見定める意図で、あえて挑戦的な調整を行ったのかもしれません。

結論として、アニメ表現に忌避感がないなら、ふつうのユーザーにはアニメ版の方が統一感があってよさそうです。でもテイルズの新しい可能性に強い興味があるなら、CG版も悪くありません。とくに風景や光の表現は美しいです。

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