岡田斗司夫、唐沢俊一、眠田直の3人が1995年に結成したオタク芸人ユニットのライブをまとめた本です。1997年の「オタクアミーゴス!」以来、12年ぶりの続刊となります。
内容は各氏が持ち寄ったマニアックな「オタクネタ」の紹介。コンセプトは「トンデモ本の世界」と似ています。本書に登場する作品の多くはメジャーになれない明確な理由があり、実物を真面目に鑑賞するのは苦行に等しい水準。ところが、編集されたダイジェストや2~16倍速の早送りで紹介されると逆に、その異形さが「世の中にはこんなものがある」という面白さとなります。
紹介されるものの大半は映像作品なので、どぎついシーンを穏当に避けた画面写真と紹介者のプレゼンだけでは、隔靴掻痒の感がなきにしもあらず。けれども本書の淡白な編集と書籍という形式は、時間とお金の節約に優れています。紹介作品の少なからずが近年にDVDになったものなので、一部の作品を実際に見てみたところ、本書の高効率をつくづく実感しました。
「トンデモ本の世界」がオカルト本に興味がない人にも面白かったように、本書もまたアニメなどに興味がなくても楽しめます。その一方で、「世の中にはヘンなものがたくさんある」ことを面白いと感じないなら、アニメや特撮のファンでもお勧めしません。その他、著者3人の鼎談も収録されていますが、分量は控えめなので、DVDの「特典」程度に考えた方がよいと思います。