中級者向けの辞典です。解説する範囲は、HTML 4.01、XHTML 1.0 SE、XHTML 1.1、XHTML Basic 1.1、およびCSS 2.1 CRです。
膨大なW3C勧告の内容を、正確さを損なわず平明に整理して紹介する、という編集方針が本書の特徴です。全ての要素、属性、プロパティ、値について、必須/任意選択/非推奨/仕様外を区別して端的に記述。ブラウザの対応状況は WinIE5-8、FF1.5-3、Chrome2、Opera7-9、Safari2-4、iPhone、MacIE5の17種を調査。対応ブラウザのない項目も粛々と解説。各社の独自拡張は補章で最低限の情報を紹介しています。
HTML の解説はとくに素晴らしく、各バージョンの仕様の違いが明瞭にわかります。また各要素の直下に配置可能な要素の一覧を示した付録「DTDでの要素の定義」は大いに役立ちますし、ABC 順の索引にもなります。本書を十全に活用すれば、通常の範囲で仕様書の原文を調べる必要は、ほぼなくなります。
第1版以来、類書と一線を画す至高の辞典の地位は不動ですが、次の第5版ではHTML/XHTMLのリファレンスを見直してほしい。直下に配置できる子要素と属性の一覧が1ページにまとまっていると便利なのです。同著者の「Web標準テキスト(3) HTML/XHTML」のリファレンスをベースに工夫していただければ……。
第3版との大きな違いは、近年のブラウザ開発状況を鑑みてCSS解説の準拠仕様をCSS2からCSS2.1CRへ変更、対応状況の調査対象にIE8などを加増、の2点。買い換えの価値はあります。