C-0039 TiMidity++ の設定方法
- 1999/9/21
- 1999/9/29
- 2001/1/14
※ここに掲載している情報は間違っている可能性が非常に高いので、信用してはならない。これらの情報を信用してアナタが不利益を被ったとしても、それは全てアナタの責任である。
現在出雲氏が中心となって開発が進行中の TiMidity++ は、まだ開発途上というその性質上、分かりやすい日本語のヘルプが存在していません。
そこでここでは、出雲氏に提供していただいた情報を交えて、 TiMidity++ の各種設定の内容とその効果を分かる範囲で解説してみました(「★」が付いているのが出雲氏に提供していただいた情報です)。
※以下は全て、 Ver.2.8.1 での設定例です。
コンフィグメニューからの設定
「 timidity-gui.exe 」を起動して、上部メニューから「 Config(C) 」→「 Preference(P) 」と辿っていくと、 TiMidity++ のコンフィグウィンドウが表示されます。しかし、全て英語表記なので、自分には何が何だかさっぱり分かりません(死)
というわけで、以下に僕の使っている設定を書き出してみました。「オン」となっている部分は、チェックが入っているということです。判るものについては、設定した場合の効果も併記してあります。
※参考までに、ウチの環境
- CPU : PentimⅠ 266MHz
- Mem : 128MB
- Sound : Ensoniq AudioPCI
- OS : Windows 98
「 Player 」タブ
- [Config File] - C:\WINDOWS\TIMIDITY.CFG
音色設定ファイルの位置です。別の位置に置く場合、ここで変更して下さい。 TiMidity++ の再起動後から有効になります。
- [Player Mode]-[Auto Quit] - オフ
オンにしておくと、プレイリストの曲を全て演奏した後、 TiMidity++ が自動的に終了します。
- [Player Mode]-[Auto Uniq] - オン
オンにしておくと、リスト中に同じ音楽ファイルが表示されなくなります。要するに、リスト中のダブりを防止する機能が働くわけですね。尚、リスト中に既にある曲をもう一度ドラッグ&ドロップした場合、そのファイルはリストには追加されません(ダブりが発生しない)。
- [Player Mode]-[Auto Refine] - オン
オンにしておくと、プレイリストにドキュメントファイル等の余計なファイルが表示されなくなります。
- [Player Mode]-[Not Continue] - オフ
オンにしておくと、曲の演奏が終わった際、次の曲の演奏を開始しません - つまり、一曲だけを演奏する事になります。ループもしませんので、一曲だけを繰り返し聴くという用途には向きません。
- [Player Mode]-[Not Drag Start] - オフ
オフにしておくと、ファイルをドラッグ&ドロップしたときに、自動的に再生が開始されます。
- [Player Mode]-[Not Looping] - オフ
オフにしておくと、プレイリスト中の曲を全て演奏し終えた後、再びリストの先頭から演奏します。「 Repeat 」のようなものですね。
- [Language] - [Japanese] を選択
[Japanese] にしていないと、日本語の曲名は文字化けします。(残念ながら、 [Japanese] にしたところで、設定画面が日本語になるわけではありません (^^;) )
- [Directory]-[Recursive Search] - オン
- [Document Window]-[Independent Mode] - オン
オフにしておくと、演奏する MIDI ファイルにドキュメントが添付されていた場合、自動的にドキュメントが表示されます。場合によっては便利ですので、必要に応じて。僕はウザいので、オンにしてます。
- [INI File]-[Auto Save] - オン
オンにしておくと、ここ(コンフィグ)での設定内容が自動的に保存されます。オフにしておいた場合、設定の保存は手動で行うことになります。面倒なので、オンにしておいた方が無難でしょう。
「 Effect 」タブ
- [Enable Chorus Control Effect] - オン
音に厚みを増す効果「コーラス」が適用されます。ただし、 MIDI ファイル中で指定されていない場合、コーラスはかかりません。
- [Enable Reverb Control Effect] - オン
音に広がりを持たせる効果、「リバーブ(残響音)」が適用されます。ただし、 MIDI ファイル中で指定されていない場合、リバーブはかかりません。
- [Enable Reverb Control Effect]-[Global Reverb] - オフ
オンにすると、曲全体に一定の深さでリバーブがかかります。だらしない演奏になるので、ここはチェックを外しておいた方が無難。
- [L&R Delay Rotate Effect] - オフ
オンにしておくと、演奏中、音の定位が左右に揺れます。僕は気持ち悪いので、常にオフにしています。
[Left] は左寄りに、 [Right] は右寄りに、 [Rotate] は左右に大きく振れるようです。 [Delay] の数値をいじれば、揺れ方を大きくしたり小さくしたりできます。
- [Noise Sharping Level] - 4
★ダイナミックレンジ 8bit で演奏する際、ノイズを軽減させる度合いを指定します。 16bit 演奏時にはここでの設定は無視されます。
- [Enable Modulation Wheel] - オン
- [Enable Portamento] - オン
- [Enable NRPV Vibrato] - オン
- [Enable GM Channel pressure] - オン
- [Enable Overlapped same voice] - オン
- [Enable Trace Text Meta Event] - オン
これらについてはよく分かりませんが、オンにすれば、音質が良くなる代わりに処理が重くなるのでしょう。
- [Modify Release] - 0
★演奏する曲全体に残響の効果を与えます。ここで数値を設定すると、各音色ごとの残響値が無視されるので、0(各音色ごとのデフォルト)が推奨値となっています。
曲全体に残響をかけて楽しむ場合に使えます。値の単位はミリ秒( msec )で、たとえば「700」と指定すれば、0.7秒間残響がかかることになります。
「 Misc 」タブ
- [Maximum voices] - 256
最大発音数。128を超えるデータはそうそうありませんので、「128」としておいてもいいでしょう。 TiMidity++ 自身が処理状況を判断して自動的に値を調整するので、大きな値を指定しておけば大体は問題ありません。
- [Amplification(%)] - 100
ボリュームです。0〜 200 の間で調整できますので、お好みの値を指定しておいて下さい。あまりボリュームが大きすぎると、データによっては音割れを起こすものもありますので、注意して下さい。
- [Antialiasing instrument] - オン
- [Load Instruments while playing] - オフ
★オンにすると、演奏中にパッチを順次ロードしますが、音切れが増えます。オフにすると、演奏前に全てのパッチを一括してロードします(結果、演奏開始に時間がかかる)が、音切れが減ります。
- [Unload Instruments between files] - オン
-
オンにすると、1曲の演奏が終わった後(次の曲に移る前)に音色をアンロードし使っていたメモリを解放します。オフにだと最悪の場合メモリ不足が起こりますので、なるべくオンにしておいた方が無難。
- [Ctl Trace Playing] - オン
オンにしておくと「トレースモード」となり、経過秒数や各チャネルの音量表示が正確に行われるようになりますが、場合によっては CPU 占有率が上がるようです。システムモニタなどで TiMidity++ の負荷を正確に計りたい場合、このチェックはオフにしておくのが無難でしょう。
- [Ctl Trace Playing]-[Console Verbosity] - 1
★コンソールに出力されるメッセージの冗長度を指定します。「 -1 」〜「4」で指定し、「 -1 」は何も表示されなく、「4」は全てのメッセージが表示されます。「1」または「2」が推奨値となっています。
「3」にすると、パッチのロード情報の詳細も表示されますので、パッチ設定の修正に役立ちます。
- [Allocate Cashe Voice] - 2097152
- [Auto Reduce Voice] - オン
オンにしておくと、マシンの処理が重くなった際、自動的に「 Maximum voices 」を調整する機能が働きます。 WinGroove にもこれと同じ機能が付いていますね。
- [Default tonebank] - 0
- [Special Tonebank] - オフ・ -1
★オンにすると、全てのパッチを指定したバンクから読み込みます。推奨の設定はオフ、又は「 -1 」で、 TiMidity++ 自身が適切なバンクを選んでくれます。
- [Control Ratio] - 0
- [Default Midi Type] - [GM] を選択
MIDI データ中に音源の指定がなかった場合、ここで指定した音源に合わせて演奏されます。普通は、「 GM 」で OK でしょう。
「 Output 」タブ
- [Precision]-[16bits] - オン
ダイナミックレンジ 16bit で演奏します。当然、「 8bits 」より音がいいです。サウンドカードによっては 8bit でないと出力できないものもありますので、その場合は「 8bits 」を選択して下さい。
- [Precision]-[Signed] - オン
- [Precision]-[Linear] - オン
- [Channels] - [Stereo] を選択
サウンドカードがモノラル出力にしか対応していない場合、「 Mono 」にしておきましょう。
- [Sample rate] - 44100
★音質の指定(数値は Hz )です。値が高いほどいい音で鳴りますが、処理が重くなります。以下に、代表的な例を示します。
- 48000
- DAT などの音質。サウンドカードによっては対応していない場合もある。
- 44100
- CD の音質。普通はこれで十分。
- 33075
- TV や FM ラジオ程度の音質。
- 22050
- AM ラジオ程度の音質。最低でもこのくらいの音質は欲しいところ。
- 11025
- 電話程度の音質。はっきり言って、聴くに耐えない (^^;)
ちなみに、ネット上に出回っている多くのパッチ(音色)は 22kHz 前後〜 33kHz でサンプリングされているようなので、44100以上の値を指定するのはあまり意味がないそうです (^^;)
- [Output] - [Win32 Audio] を選択
★音の出口を指定します。
- Win32 Audio
- これを指定しておくと、リアルタイム演奏になります。処理がちょっと重いですので、 BGM にしながら作業をするときは、上の音質設定を下げておくのが無難でしょう。
- Riff Wave File
- Windows 標準の WAVE ファイルとして出力します。 MIDI → WAV の変換を行う場合は、これを選択します。
- Sun audio file
- SunOS や Java 標準の音声ファイルとして出力します。
- List Midi Event
- MIDI ファイルの演奏結果を、イベントリストとして出力します。作曲をする人、プレイヤーを開発する人以外は、使い道がないでしょう。
- AIFF file
- MacOS 標準の音声ファイルとして出力します。
- Raw waveform data
- 波形のみの生データとして出力します。
ちなみに、無効な形式( WAVE ファイルでの Unsigned 16bit など)やサポートされていない形式は、適切な形式(この場合、 Signed 16bit など)に暗黙的に変換されます。「 Verbosity 」の値をを上げておくと、変換したその旨がコンソールウィンドウに警告として表示されます。場合によってはエラーで演奏されなかったり、変換されなかったりすることもあります。
「 Channel 」タブ
- [Drum Channel]
★チェックしたチャネルが、デフォルトのドラムチャネルになります。
- [Drum Channel Mask]
★ TiMidity は GS SysEx DrumPart 等により、ドラムパートを自動認識します。ここでマークしたチャネルは自動認識が無視されるため、マークしたチャネルのドラムパートは自動的には変化しません。
- [Quiet Channel]
ここでチェックを付けたチャネルは、 MIDI 演奏時にミュート(消音)されます。ドラムパートだけを聴きたい、ギターソロだけを聴きたい、といった場合などに使えます。
設定ファイルを直接書き換えての設定
コンフィグメニューだけで上記のような設定が可能ですが、実は TiMidity++ には、設定ファイルを直接いじらないと設定を変更できない項目があります。
TiMidity++ をインストールしたフォルダにある「 timpp32g.ini 」が設定ファイルで、このファイル自体は普通のテキスト形式なため、メモ帳などで読み込んで編集することができます。とりあえず、以下に、分かる範囲での解説を書いてみました。
基本的に、上記メニューから変更できない「裏設定」についてのみ解説してあります。
[PLAYER] セクション
- IniVersion= 2.1
TiMidity++ 設定ファイルの書式のバージョン。新しいバージョンの TiMidity++ と使用中の TiMidity++ の設定ファイルを覗いてみて、この部分が同一ならば、そのまま設定の引き継ぎが可能。
- MidiFileOpenDir= D:\WIN\OTHER\NET\TIMIDI\PLS
メニューの [File(F)] から [open File(F)][load Playlist(P)][Save Playlist as(S)] を選んだ際に最初に開かれるフォルダの指定。例えば、 MIDI ファイルを「 D:\DATA\MIDI 」以下にまとめてあるなら、そこを指定しておくと良い。
- ConfigFileOpenDir= D:\WIN\OTHER\NET\TIMIDI
コンフィグメニューで音色設定ファイルを指定する際、 [ConfigFile] ボタンを押した時に最初に開かれるフォルダの指定