PGPの日本語化

(図版入ル)

メニューやメッセージの日本語化より、SJIS-JIS 変換が本質的

2001.09.29

日本語化への道

マシンが再起動してふたたびたちあがると、タスクトレイに鍵の形のアイコンが現れてるはずです。これが「PGPトレイ」のアイコンで、下のは、その拡大図です。

(図版入ル)

まだ日本語化されてないので、この鍵のアイコンを右クリックするとメニューが英語で表示されます。

(図版入ル)

ここでは上のように「Exit」を選択して、いったん終了しちゃってください。次のような警告が出ます。「PGPを終了します」という内容なので、かまわず [OK] 。

(図版入ル)

今からする作業(実行ファイルを上書きコピー)は、起動中の状態でやろうとすると問題が起きかねないので、必ず Exit しておきます。

nkf32.dll をちょちょいとコピー

日本語対応の下準備として、まず「nkf32.dll」をシステムフォルダにコピーしておきます。

(参考)日本では同じ日本語文章が、Shift JIS、EUC-JP、JIS などいろいろな方法で符号化されてます。例えば、Linux のユーザが、EUC-JP の文章に「そのまま」PGPで署名し、Windows のユーザがそれを Shift JIS に変換して読んでいる場合、表示される日本語文は同じでも、バイナリレベルでは原文が変わってしまっています。したがって、PGP署名を検証すると、「改竄(かいざん: 書き換え)されている」と判定されてしまいます。こうした混乱を防ぐため、日本語文では、すべて JIS に変換してからPGPにかけ、したがって、逆変換でPGPを解除したときに出てくる日本語は JIS コードでコーディングされている――というデファクト標準が採用されてます。そこで文字コードを変換するためのフィルタが内部的に必要であり、メールプラグインに対してこれを実行するのが上記の NKF(ネットワーク漢字フィルタ)です。

NKF32.DLL については、すでに「nkf32????.lzh」(現時点ではnkf32103a.lzh)をダウンロードしました。これを解凍すると、ファイルが5つほど出てきますが、そのうち、NKF32.DLL をシステムフォルダ(後述)にコピーしてください。

(図版入ル)

Windows のデフォルトの設定では、「.dll」で終わるファイルのアイコンが表示されないかもしれません。表示されないのでは作業のしようがないので、まず、どうすれば表示されるようになるかの説明をごらんください。マシンを使いこなして仕事や研究の能率をあげるためにも、すべてのファイルがちゃんと表示されるようにしておくことをおすすめします。

システムフォルダとは、Windows OS がインストールされている場所(一般的には C: ドライブ)にあって、Windows 95系の場合、そのドライブの「Windows」フォルダのなかの「system」フォルダです。Windows NT/2000 なら「WINNT」フォルダのなかの「system32」フォルダのことです。

要するに、nkf32.dll のアイコンを選択してコピーしたら、システムフォルダを開いて、そこで「貼り付け」するだけです。簡単でしょ?

日本語化

次に、pgp651ij-win-exe-a6.exe に手をつけます。

(図版入ル)

とりあえずWクリックすると解凍するので解凍してください。解凍先を指定するように言われますが、一時作業用なので、次のような感じで、てきとーに新しいフォルダを指定しておけばOK。

(図版入ル)
(図版入ル)

さて、解凍すると次のように24個のファイルが出てきます。

(図版入ル)

インストーラがついてないので日本語化を完了する作業は、ちょっとだけやっかいですが、以下の説明通りやれば誰でもできると思います。何事も経験、がんばってやってみてくださいね。

まず、INSTALL.INF を右クリックして「インストール」を選びます。

(図版入ル)

すると次のような質問が出て、まさにソフトを日本語化する作業が行われてるのが分かります。まよわず「はい」をクリック。同じような質問が10回くらい出ますが、必ずぜんぶ「はい」

(図版入ル)

日本語化(つづき)――日本語版で上書き

次の作業は、やることは単純ですが、注意ぶかくやってください。

まずPGPのインストール先のフォルダ(初めにメモしましたね)をひらいてください。次のような感じになってると思います。

(図版入ル)

このフォルダの内容と、先ほど、一時作業用フォルダに解凍した日本語版(次の画像=再掲)をよく見比べてください。

(図版入ル)

同じ名前のファイルがいくつかあるのが分かります。上(インストール先フォルダ)のファイルは英語版、下(一時作業用フォルダ)のファイルは日本語対応版ですから、下のやつ(日本語対応版)で上のやつを上書きで置き換えてやればいいわけです。どっちからどっちに上書きするかの方向を間違えたり、置き換え忘れるファイルがひとつでもあると、変なことになってしまうので、気をつけてください。といっても関係あるのは、拡張子が「exe」のファイルだけ(5〜6個)なので、注意深くやれば、だいじょぶでしょう。また、万一、逆向きに上書きして日本語対応版を消してしまっても、日本語対応版のほうは、また解凍すればいいだけの話なので、そんなに心配することもありません。

なお、PGPdisk.exe、PGPPhone.exe などは、日本語版のほうには、ありますが、英語版のほうには(標準のインストールでは)入っていません。このように、一方にだけあって他方にはないファイルについては、無視しておいてください。

具体的作業として、インストール先フォルダにあるexeファイルのうち「Unistall.exe」以外すべてを、一時作業用フォルダの同名ファイルで上書きします。上の図の例では、「PGP.exe, PGPKeys.exe, PGPLog.exe, PGPTools.exe, PGPTray.exe」の5つを、同名の日本語版ファイル(一時作業用フォルダのもの)にて上書きします。

(図版入ル)

確認のメッセージが出ますので、「現在のファイル」より「次の新しいファイル」のほうが更新日時が未来であることを確認したうえで「はい」をクリック。

エクスプローラの「表示」を「詳細」にして、「アイコンの整列」を種類順にすると、上書き先のほうは、もともと次のような感じになってるはずです。

(図版入ル)

日本語対応版のほうが日付が新しいので、上書きコピーが全部すむと、次のようになります。.exe ファイルのうち、「Unistall.exe」だけほかより日付が古く、あとは日付が新しくなります

(図版入ル)

再起動します

以上の作業が済んだら、間違いがないかよく再確認してから、念のためにパソコンを再起動しましょう。再起動したら、タスクトレイの鍵のアイコンをもういちど右クリックしてみてください。――次のようにメニューが日本語に変わっていたら、とりあえず成功。

(図版入ル)

ちなみに、アウトルック・エクスプレスを起動してみると、次のような新しいボタンが増えてるはずです。

(図版入ル)

最後の仕上げ

もうひとつ「パッチ」をダウンロードしていましたね。これの使い方はカンタンです。

(図版入ル)

このファイルは、PGPのインストール先のフォルダ(いちばん初めにメモした場所)にコピーして、そこでクリックするだけでOKです。次のようなメッセージが出て、あっけなく作業終了となります。

(図版入ル)

以上で、日本語に対応したPGPの最新バージョンがインストールされました。

これからは、暗号化したメールを受け取ったり送ったり、あるいはメールや文書にPGPで署名したりすることができるというわけです。そのために、あなた自身の暗号鍵を作成しましょう。インストールさえすめば、鍵を作るのは少しも難しくないし、ソフトとしてのPGPの操作も簡単です。

www.faireal.net <webmaster@faireal.net>