memo - DR Congo

「アフリカ大戦」全般については、「[cd]東コンゴ:大統領暗殺、そして」を見てください。

2001.03.17

「アフリカ世界大戦」に関連するメモ(暫定)

「コンゴに待望の平和の日」

2001.03.17 Troops leave DR Congo frontline:「3月15日までに」と約束されていたアフリカ大戦の停戦というか戦線離脱ですが、どうやらうまく行っているというニュースです。東コンゴ(DR Congo)内の反政府軍側の2国(ウガンダ兵とルワンダ兵)が引き上げを再開したようです。先月の協定で、前線から15キロメートルずつ互いにさがって、これ以上の衝突が起こらないようにする、ということになっていました。そしてすでに部分的には戦線離脱の動きが報じられていました。前線地帯といっても、これが約2400kmにわたるとのことで、規模の観念としては、日本列島全体が戦場になっている、というスケールの理解で良いかと思われます。

東コンゴのジョゼフ・カビラ新大統領のほうですが、政府軍側――つまり、コンゴの政府軍とアンゴラ、ナミビア、ジンバブエの同盟軍ですが、「ウガンダとルワンダが完全に引き上げないことには、こっちは引かない」というかまえのようです。しかし、これまで伝えられるところによると、ジョゼフ・カビラ大統領は、いろいろおもわくもあるにせよ停戦を望んでいるわけで、ウガンダとルワンダが引いたなら、自分のほうも引くのではないでしょうか。政府軍側に加わっているジンバブエのムデンゲ外相が「すべてのコンゴ人と世界の人々が待ちに待った平和の日がやってきた」というふうにコメントしています。ジンバブエのムデンゲ外相、1999年のルサカ合意(結局、守られなかった停戦ですが)の交渉でも活躍した人ということです。国連のオブザーバーは、「両陣営とも停戦をあやうくするような軍事行動をいっさい慎んでほしい」と言っていて、ジンバブエのムデンゲ外相も同じように、協定を守るよう各勢力に呼びかけているとのことです。

というわけでローラン・カビラ大統領のなぞの暗殺(2001年1月17日)から、とつぜん和平に向かい始めたアフリカ大戦ですが、とにかく方向性としては今のところは本当に和平に向かっているようです。しかし、大統領暗殺の直後から、BBCやアナンが「これで平和になるだろう」とかやけに楽観的なコメントをしていたへんとか、どうにも、なんとも、なぞが残る動きです。本質的にはカタンガ(シャバ)州と東西カサイ州のダイヤモンドや鉱物資源に世界の熱いまなざしを感じるわけですが、表層的なレイヤーとして動いているのは、周辺各国の現地人兵士であって、「先進国で指輪がひとつ売れるたびに、アフリカの人がひとり手足を失う」というような因果関係は指摘されているものの、どうしてそうなるかの因果律の連鎖の中間部分がブラックボックスのなか、という感じです。ことばを変えれば、紛争当事国のすべてが平和を望み、現地では停戦したくても、もっとべつのちからがあるので油断できないということです。

鉱物資源の利権の問題は気になりますが、先走って言えば、もしコンゴの問題が解決するなら、カダフィ大佐が言っている「アフリカ連合」構想も、やや現実味を帯びてくるように思います。

ウガンダ大統領選

記事の順番が前後しますが、きのうの記事をひとつここに移動しときます。この大統領選でのポーズとしてウガンダは一時的にコンゴから引き上げたのでは(つまりウガンダ国民としては、国外派兵に無駄金を使う大統領はイヤなわけでしょう)、という観測もありえるわけで、ウガンダの真意、また、ウガンダ国民がどこまでムセベニ大統領を本当に支持しているのか、今後の動向(しゃれ?)が注目されます。

Museveni supporters party in Uganda:ウガンダ大統領選。ムセベニ現・大統領が69%の票を集め続投のもよう。しかしライバルのベシグィエ陣営では、選挙は不正に操作されていると非難。インデペンデント系のモニターグループも「選挙違反があった」と確認し、最大で10%の票が不正操作されていると示唆。(しかし10%の票が不正でも、なおムセベニ氏は過半数の支持を得ている計算になるし、全体の流れをみると、ムセベニ大統領は実際にそれなりの国民の支持を得ているようだ)

2001.03.15 Museveni supporters party in Uganda:ウガンダ大統領選。ムセベニ現・大統領が69%の票を集め続投のもよう。しかしライバルのベシグィエ陣営では、選挙は不正に操作されていると非難。インデペンデント系のモニターグループも「選挙違反があった」と確認し、最大で10%の票が不正操作されていると示唆。(しかし10%の票が不正でも、なおムセベニ氏は過半数の支持を得ている計算になるし、全体の流れをみると、ムセベニ大統領は実際にそれなりの国民の支持を得ているようだ)

2001.03.12

ウガンダ大統領選、いろいろ怖いうわさも流れてましたが、大きな混乱はなく、投票が済んだもようです。1985年のクーデター以来、15年間、大統領をつとめてきたムセベニ氏。アフリカ世界大戦もあって不安定な東アフリカで、例外的といっていいほど安定的に発展してきたウガンダ、それを支えた大物ですが、今回はベシグィエ氏という強力なライバルが出現。どういう結果になるのか。

アフリカの地図12kb

例外的、と言っても、ウガンダ、ルワンダ、ブルンディと3つ並べた場合、むしろルワンダとブルンディのほうが例外的に大変すぎて、となりのコンゴ(ザイール)は戦場で、だから、結果的にウガンダがいちばん安定してるように見えるわけでしょうけれど。

2001.03.10 前大統領の特別顧問を取り調べ=アンゴラへの武器密輸事件−仏:これもフランスの話。「アフリカでは勝手に民族が内戦やってる」んじゃなくて、世界中の戦争には、大国の軍需産業の権益がからんでいる。こういうふうに、おもてだってニュースになるのは珍しい。余談だが、アフガニスタンのムジャヒディン・ゲリラをアメリカが支援していたのは公式に確認されているが、最近うわさのタリバン側も実は(対ロシア戦略として)アメリカがバックアップしたゲリラなのだと関係者が「暴露」してます(真偽は不明:"CIA worked in tandem with Pak to create Taliban")。

ブルンジで内戦激化、市民ら30人死亡:これも民族紛争みたいに書いてあるけど100%そうなのか。

2001.03.01 Troops withdraw from DR Congo:アフリカ大戦、良いニュースです。3月15日までにとりあえず15km撤退、という一週間ほど前の合意ですが、実際にウガンダとルワンダの軍が撤退を開始しました。どっちも東コンゴ(ザイール)反政府軍側の国です。いろいろ思わくもからみ、条件つきだったりしますが、とにかく軍隊が引き上げるのを国連でも確認したとのことです。

2001.02.25 Namibia reveals Congo diamond role:今さらながらという感じですが、ナミビア(とジンバブエ)は「東コンゴに派兵しているのはダイヤモンドの権益をねらっているからだ」と表明しました。

コンゴはアンゴラ、ウガンダなど多数の国と国境を接していて複雑な地理的政治的関係にある

2001.02.24 アフリカ大戦@東コンゴ、続報:戦争当事国6か国+東コンゴ反政府3組織が三日間に渡って会談(アンゴラ、ジンバブエ、ナミビアが東コンゴ政府軍を支援、ウガンダ、ルワンダは反政府軍を支援)。結論的には「うまく行けばうまく行くかも。可能性は充分ある。ローラン・カビラ前大統領が暗殺されて、たしかに事態は動いた」。東コンゴ内に派兵されている各軍は、3月15日までに15km退却する。問題が起きなければ、さらに5月15日までの全面撤退を目指す。停戦監視のため国連も3000人の兵士を派遣。Congo pull-back plan welcomed

8kb東コンゴとアンゴラの両政府は、ローラン・カビラの時代から仲が良かった(写真=BBCより)。これはアンゴラの反政府ゲリラUNITAをめぐる立場とも関係深い(→解説)。しかし、この「アフリカ世界大戦」には、前回のルサカ停戦合意では、くちでは合意しても戦争は止まらなかったという苦い経緯がある。(※注=東コンゴとは、旧ザイールのこと)

ばびっと解説:何で戦争してるの?――東コンゴはダイヤモンドを含む鉱物資源の宝庫。本質的には、それを奪い合っている。何が最大の問題か?――1)東コンゴは日本の六倍もの面積があり交通も発達していない。他国の軍や反乱軍が撤退したからといって、秩序回復が全土に行き渡るまでは時間がかかる。2)トゥツィ vs フトゥ問題、歴史的「農奴」制と大虐殺の「精算」をどうするか。詳細

2001.02.22 アフリカ大戦:DR Congo talks optimism:国連のアナン事務総長は、和平交渉について新たな希望が持てると表明。特に、DRコンゴのジョゼフ・カビラ新大統領が、ローラン・カビラ前大統領の「ボツワナ(マシーレ前大統領)とは交渉に応じない」という態度をひるがえしたことが、明るいきざしだと指摘(→ 解説記事

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