いま私はプロの編集者として勤務しています。その目から見れば、本書の記述はあまりに固く、冒頭が長すぎ、リファレンスとして使いにくく…と欠点だらけです。
ところが本書は、専門家を含む一部のかたに一定以上の評価をいただいています。大変ありがたいことです。「美人は3日で飽きる、ブスは3日で慣れる」なんて言葉もあるとおり、ヒトはある程度イビツなものにこそ魅力を感じるのかもしれません。
PC関係本は寿命が短いのが運命でして、2003年初頭に本書も絶版となりました。そのまま思い出として消滅させるのが本懐のはずですが、それはそれInternet時代・データ時代、オリジナル原稿が手元にあるのももったいないと思い、解放しようと思いつきました。
本書を書いた1997年〜1998年、わたしはまだ24歳であり、大学院生でした。稼いで口に糊する必要がなく、若く、自分の正義のみに興味を持てばいいという、半ば特権階級でした。――だからこそ書けた書籍であるのは間違いないので、そのような《若造の文章》としても楽しんでいただければ幸いです。
末筆ですが、HTML化をご担当いただいたまきさまに感謝を申し上げます。
(2003年7月10日)