Webサイトデザインアドバイス

Advice

徳保隆夫の発言集40

私は方々のサイト批評掲示板でいろいろ書き飛ばしています。その一部を収録。新旧いろいろ入り混じっています。場所もいろいろ。

Ck2 Money

URI:http://www.ck2.biz/cm/  [2002.10.14]

プロの仕事と見紛うビジュアル

ちょっときれいだったり使いやすいというくらいでは、ふつう、デザインはアクセス数に寄与しないのですが、Ck2 Money はとんでもないですね。内容的には同等のサイトがいくつもあるでしょうが、正直いって、デザインで一歩も二歩も抜きん出ていると思います。以前拝見した際も吃驚したのですが、とうとうここまできたかと舌を巻きました。テーブルなどを用いたデザインとしては、個人サイトとして望みうる限界に迫っているように感じます。

広く目配りしつつ、情報を絞り込んで個々の項目への十分な解説と適当な総分量を両立させているという方向性も成功しているのではないでしょうか。何かについてとくに深く知りたいというよりも、様々な情報へアクセスするためのポータルサイト的な利用に優れているように感じます。アクセスアップ、お小遣い稼ぎ、いずれにせよ、それだけを深く知りたければずっとすごいサイトがたくさんあります。けれども、一通りの情報を俯瞰したい場合に、あるいはちょっと「あれはなんだっけ?」というときに、デザインのよさもあって、じゃあCk2で調べるか、ということになりそうです。

後発サイトのつらさ

惜しむらくは、後発サイトだということですよね。それだけが、唯一最大の問題ではないかと。基本をしっかりまとめたサイトだけに、後発でさえなければなあと思うのです。たしかに情報のまとめ方、見せ方には非常に優れているのですが、それだけで「サイトの乗り換え」を実現するのはなかなか難しいんですよね。情報自体に独自性がなければ、なかなか……。

まだこれといって自分にとってのポータルサイトを持っていない方には、非常に魅力的なサイトなのですが、そうした方を獲得するためにも「現時点での知名度」が必要なわけです。結局、新機軸を打ち出せない限りは、現在の勝ち組みがそのまま勝ち続けてしまうのでしょう。デザインという新機軸はあるのですが、やはり使い慣れたサイトからの乗り換えを決めるにはやはり「必要性」に欠けるといえましょう。

相互リンク募集は正解

相互リンクを積極的に募集されていますが、これは非常に正しい判断だと思います。Ck2のいいところは、上っ面だけで派手なことを狙わずに、純粋にサイト自身を高める努力を継続されていることではないでしょうか。波はあるでしょうが、これは着実に効いてくるはずだと信じています。

.words

[2002.10.14]

小説サイトでリピーターを増やすには

単純な話なんですけど、一定の更新があり、内容さえおもしろければリピーターはつきます。リピーターではなくてアクセス数を求めるだけなら、更新すら必要ありません。内容がおもしろければそれだけで十分です。小説サイトとして成功を収めた3例ご紹介します。

荒廃した宇宙

[2002.10.14]

表紙でメニューが目立たないのは……

メニューの配置はやっぱりよろしくありません。画面右側のお知らせなどが原色を使った枠線などで目立っているのに比べて、一番大切なメニューが左下にあって薄い青の枠線というのは疑問です。私なら、表紙画像またはサイトの説明の上にメニューを置きます。意味不明の「ああああ」は削除。星マークも削除。お知らせとキリ番はくっつけます。サイトの説明の枠線は淡い色にします。とにかくメニューが目立たないのは変なので、何よりメニューがはっきりわかるデザインを心がけますね。そして余計なものはなるべく削除していくわけです。

ONEPIECE THE WEB

[2002.10.14]

情報を絞り込もう

デザインに一部微妙ながらも統一感があり、配色も整っており、何よりコンテンツが豊富で、各々それなりに充実しています。個人サイトとしては標準的なレベルをクリアしており、基本的にはいいサイトだと思います。この調子で頑張ってください、といってみてもいいのですが、いくつか気になることを列挙してみます。ご参考になれば幸いです。

交流系コンテンツの整理

サイトの規模、人気と比較して、交流系コンテンツが豊富すぎます。コミュニティーサイトとしての方向性はほとんどありえないように見えますので、適当に削減するべきでしょう。掲示板でもチャットでもそうですが、寂れているとますます人が寄り付かなくなります。数を絞って、そこでまずちゃんと盛り上がりを演出することです。書き込みがある掲示板を消すのはつらいでしょうが、とりあえずリンクを消すということでどうですか。もっとサイトに人気が出てきたら、リンクを復活させて、掲示板をまた増やせばいいのではないですか。チャットもひとつあれば十分でしょう。こういったことでは、大は小を兼ねません。

推奨文字サイズは無意味

文字サイズに関する注意書きがありますが、13型程度のモニタでも1280×1024などの高解像度を実現できる場合があることをご存知ないでしょうか。そうしたモニタを使用していると、文字サイズをとにかく大きくしないと、何も読めなかったりするわけです。画像やウィンドウが小さく表示されてけっこう便利なのですが、文字が小さくなるのだけはどうしようもない。すると、ユーザスタイルシートなどで文字サイズを強制的に大きく表示するか、あるいは文字サイズ最大に設定することになります。

文字サイズ最小に設定した場合の文字の大きさなどというのは、モニタの大きさと解像度の組み合わせ次第でどうにでも変わります。だから、この文字サイズがいいなどという提案は、事実上不可能といえます。文字サイズのことは閲覧者にかませておけばいいのではないかと思うわけです。どうしてもというのであれば、自分はこのモニタサイズ、この解像度、この文字サイズ設定で表示確認をしています、と書けば足りるでしょう。解像度ばかり気にしている方が多いのですが、文字サイズを気にするならモニタの大きさは非常に重要なので、この情報は外さない方がよいでしょう。

なお、将来的にはパソコン画面の解像度は現在の2倍程度になるといわれています。もちろん、モニタは2倍の大きさにはなりません。A4ノートPCはいつまでたってもA4サイズに収まる画面に決まっています。つまり、1pxの大きさが現在の半分になると考えればよいわけです。すると将来的には文字サイズ12pxなんてのは読めたものではなくなります。世の中の少なからずのWebデザイン指南サイトは記事の改訂を迫られることになるでしょう。

ランキングの整理

ランキングにたくさん参加されていますが、意味ありますか? これも数を絞った方が効果はあるかと思います。たくさんの情報を用意するという性格は多くの面でよい効果をあげているように見えますが、情報の絞り込みが足りないという印象もあちこちで受けます。両者のバランスを取るよう、心がけてみてください。(例えば利用規約などというページがありますが、管理人の自己満足に過ぎないといえます。あれがあっても、実際のトラブル解消には役立ちません。それでもあのページがあれば何か安心するというなら、管理人自身のために必要だともいえますが、一度そうしたことも考えてみるとよいでしょう)

常識を疑おう

サイト運営を続けていると、ちょっとした思い込みが自分にとっての「常識」となってしまうことがあります。「日本の常識、世界の非常識」という格言のとおり、「私の常識」を疑うことを忘れないようにしていただければと思います。絶対に必要だ、これはあった方がいい、そう思っていることが本当に大切なことなのかどうか? 結論として、「やっぱり現状維持でいい」となるとしても、考えてみることは無駄ではありません。

STAR OCEAN倶楽部

URI:http://members.tripod.co.jp/syoboi/ [2002.10.14]

センタリング

タイトルは中央に表示したいのではないでしょうか。でしたら、ちゃんと中寄せの機能を使うべきでしょう。スペースを入れて中寄せ風にするのはまずい方法です。画面サイズや文字サイズ次第で文字の表示位置がどんどん変わってしまいます。更新履歴はちゃんと中寄せできているわけですから、FrontPageに中寄せの機能があることは明白です。説明書をよく読んで、探してみてください。

説明書き

スターオーシャンの説明は、私は不要だと思います。スターオーシャンに興味のない方がサイトを訪れることは滅多にないでしょうし、たまにあったとしても、ちょっとした説明程度で関心を持ってくれるとは思えません。

それにしても、説明書きが長いですね。私のサイトでも長い説明書きを用意していますが、その代わり、基本的にはそれを読む必要がないようにサイトを構成しています。いくら読めといっても読んでもらえないのが説明書きです。重要なことは、説明専用のページ以外にさりげなくしのばせておくべきだと思います。リンクフリーかどうか、などは比較的気にするお客さんが多いところですしね。

デザインはサイト全体を見て考える

コンテンツの見やすさとシンプルさに心がけたそうですね。たしかに各ページを見れば、狙い通りといってもよいのかもしれません。しかしながらサイト全体としてみれば、決してそうとはいえません。ページ毎に配色もレイアウトも異なっています。これではいけません。サイト全体のデザイン構成が複雑すぎます。

注意書きは薄青、表紙は薄茶、リンクは黒、中寄せに左寄せ、こうしたバラバラなデザインからサイト全体としてのメッセージ、構成の意図を理解することは困難です。最初のうちはつまらないと感じるでしょうが、まず全ページを同様のデザインでまとめるとよいでしょう。各ページの差異化を考えるのはそれからでも遅くはありません。(多くの場合、差異化など必要ないと気付かれるはずです。)