趣味Web 小説 2003-05-24

中間管理職

顧問に怒られた。理由は、顧問を通さずに、パンフレットに載せる為の校長の言葉を貰ったから。学校の構造は良く分からない。今まで俺がそういう職務に就いていなかったのだから仕方ないと言ったら、これは言い逃れだろうか。(中略)社会人の方にお聞きしたい。先生の考えは、生きて行く上で邪魔になるかどうかを。

高校生にもなって幼いことをいうものだ。分不相応な責任を勝手に背負って、好き勝手やられたのでは上司はたまらない。「知らなかった」といっても責任を取るのは上司なんである。

顧問の先生は、生徒の行動に責任を負っている。部活動の一環として校長先生にアタックしたのであれば、その場で生じたすべての問題は顧問の先生が引き受けることになる。だから、顧問の先生は何をするにもまず自分に相談しろ、というわけだ。面倒くさいと思うだろうが、生徒が思い上がってはいけない。生徒の責任なんてものは、所詮は教育の一環として用意された擬似的なものだと考えておいた方がよい。何かあった場合、もちろん生徒は叱られるわけだが、それさえも教育の一環として用意された擬似的なイベントなのである。本当に叱られ、詰め腹を切らされるのは先生だけなのだ。

部下の不祥事は上司の責任である。朝日新聞の珊瑚事件では中間管理職をすっ飛ばして社長が辞任したことを思い出してほしい。そして日本の大臣はしょっちゅう首が飛ぶ。実際に失敗を犯すのは下っ端なのだが、責任を取るのは管理職なんである。「知りませんでした」ではすまされない。あんまり、顧問の先生を困らせないでやってほしいものだ。

念のために書いておくと、パンフレットの製作グループは校長の直轄組織ではない。顧問の先生が製作チーフの上司に入り、中間管理職の役割をはたす。生徒は校長のタイムスケジュールなども知らないわけで、顧問の先生の仕事にはそのあたりの調整も含まれているはずである。顧問の頭越しに勝手なことをやってはいけない。それは混乱の元となる。……と、ここまで書いておいてなんなのだが、しかし困ったことがある。加藤さんの記述から推察するに、顧問の頭越しに生徒が行動するのがなぜいけないことか、先生自身がよくわかっていないようだ。それがいけないことだという直感だけが正常に機能しているらしい。だから説得の論理が意味不明で、加藤さんの誤解と混乱を招いている。

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