趣味Web 小説 2003-09-28

高村薫を読んでグッタリ

ちょっと読書に疲れました。私にはたぶん高村薫は高尚すぎるんだと思う。たいていの小説は50ページ我慢して読み進められれば楽しくなってくるのだけれど、高村薫はその先でも何度も「ちゃんと読むのが面倒くさい病」が頭をもたげてきて困った。Amazonの書評にもあったけれども、何でもかんでも書く必要はないだろう。作者の判断で適当にはしょってほしいと思うのだった。

雑誌連載が単行本になると、大幅に加筆訂正してくれる作者が多い。とくに新聞連載などの場合、むしろ連載時にはくどいくらいに同じ情報を繰り返すことになりがちなのだから、きちんと減筆訂正をしてほしいものだと思う。真保裕一は私の好きな作家なのだけれども、半年くらい前に読んだ「誘拐の果実」は妙に繰り返し同じ情報を記述する文章が目についた。ところが、これが書き下ろし作品だというので困ってしまった。仕事が連載中心になったので、寡作の真保さんは文章に悪い癖がついてしまったのだろうか。でも「誘拐の果実」はお勧め。

京極夏彦も私にいわせれば無駄の多い本を書く作家なのだけれども、無駄を書くのがこの人の持ち味だからもう何をいっても仕方ないというか……。でも私は未読の最新作では、とうとう多方面から批判されているから、いい加減やりすぎたんだろう、たぶん。

とまあ私はぶつぶついっているのだけれど、じゃあ粗筋小説を読んだら面白いのかといったら、そうでもないのが困ったところ。赤川次郎は、先日数年ぶりに最後まで読めたんだけれども、その間、何冊を途中で放り投げたことか。古書店へ行くとタダみたいな値段でいくらでも買えるので、けっこう手は出してきたんだ。でも、どうにも読み進める気になれない。まあ、あれこれ文句をいいつつも、次に読了する本はおそらく高村薫の「照柿」だろうと思う。面倒くさくなって、いったん閉じたけれど、続きを読みたいのだからしょうがない。

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