趣味Web 小説 2004-01-25

必修科目が不出来では困る

選択科目が文系か理系か、進路が就職か進学か、といったことによって、高校卒業資格者の学力レベルに差があってよいのだろうか。もちろん、理系の学生しか勉強しない高度な数学の問題を文型の学生が解けなくても問題はない。しかし、必修科目である数学や理科の基礎科目を、すっかり忘れた状態で(あるいは最初から理解しないまま)卒業してしまうのであれば、問題ではないのか。

就職するなら数学なんていらないよ、というのであれば、「だったらなぜ高卒をほしがるのか?」という問題が出てくる。高校は基本的には勉強する場所なんだから、勉強に期待しないというなら、高卒を希望する必要はないはずだ。もちろん、高校卒業が「あまりにひどい人材」を簡単にふるい落とす便利な基準として機能している現実があるわけだけれども、それでいいのかという疑問は出てきていい。

文型の学生は数学なんか勉強しません、という現実は是としてよいものなのか。それならなぜ、数学Iは必修科目になっているのか。理科もIAまたはIBを最低2科目が必修なのだ。文系を選んだら数学も理科も忘れ去ってよいというなら、必修科目にしているはずがない。私は、仮にも普通科の卒業生というならば、英数国理社いずれも、ある程度は身につけているべきだと考える。

こう考えるならば、文部科学省が何を調べたかったか、何を期待していたかということは、自ずと理解できると思う。

ところで、報道発表一覧 月別一覧(平成16年1月)には文部科学省は23日、全国の高校3年生約10万5000人を対象に、02年11月に実施した学力テストの結果を発表したという報道に対応する記述がない。朝日が嘘つきなのか、文部科学省が怠慢なのか。

追記:27日現在、報道発表一覧において23日付平成14年度高等学校教育課程実施状況調査についてという文書が参照できる。朝日新聞の報道が正しく、文部科学省が怠慢だったことがわかった。

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