趣味Web 小説 2004-02-26

大多数がどうだとか、そんなことを気にするようなご身分なのか?

3カラムのレイアウトに最新記事数十件、他サイトへのリンク数百件とか表示してる人がいたりするけれども(というかそっちがブログ的には主流)(3カラムにするとスカスカになっちゃうからたくさん何かを載せなければいけない気になるんだと思う)、さすがにそこまでやるとブログ慣れしてない人にはわけがわからないと思う。どれが外部リンクでどれが内部リンクなのか。なのでなるべくrecent titleとかpermalinkとかブログ用語(?)を使わないで日本語表記にして、検索経由で来る初心者の方々を大事にする方向にした。たまーにPCをほとんど触らないリアル知り合いに「ニイさんのサイト見てみたけど何が何やらさっぱりわからなかったです」と言われる。これだけ噛み砕いてもわからない人の方が大多数なのです世間的には。そこらへんブロガーの人たちはどこまで意識してんですかね?

こういう記事を読むとすぐに感化されてしまう人が世の中にはたくさんいて、「うんうん、私も最初はよくわかんなかったもんね。そうだよねー、なるなる」とかいう記事が今回もきっといくつも書かれるわけですよ。……と、ここまで読んだらもう、常連読者の方には今回の記事の内容がすっかり予想ついたかと思います。なので、多くの読者にとって以下は読むだけ時間の無駄なんですが、私は書きますよ。

初心者のレベルの低さにはまったくもう驚くばかりだという事実は、案外みんな忘れていまして、Yahoo!JAPAN だって Google だって、さっぱりその使い方とか、便利な機能とかを理解していない人が多い。先日、Google ディレクトリの存在を教えてあげたら「うわー! これは凄い。さすがよく知ってるねぇ~。パソコンの出来る人は違うなぁ」と、まるで見当違いの誉められ方をしたくらいです。大企業の研究開発部門といっても、その程度の人がゴロゴロしているのであって、ましてや(中略)。

結局、初心者の目は都合よく出来ていて、理解できないものは適当に無視されるわけです。便利なリンクは理解できない人には無用の長物だけれども、さりとて邪魔にもらないわけです。だから、企業サイトには(本文の記事だけに用のある人には)オマケのリンクが無数に用意されることが少なくない。あれば便利に使う人がおり、あって困る人はいないわけで。

というか、それ以前の根本的問題として、検索経由で来る方々はほとんどリンクをクリックしない。高機能なアクセス解析を用いると同一 IP 利用者の閲覧行動を追跡してくれるわけですが、検索エンジン経由の閲覧者の大多数はその文書を読んだらサヨナラします。だから、少々わかりにくくてもそうでなくても程度の差でしかなくて、いずれにせよ多くの方はそんなもの気にも留めないか、さもなくば明確な意思を持って無視してくださるというわけ。

あと、テキストサイトなんてのはみんな素人から見たらわけわかんない。「何それ? そんなの、何が面白いの?」というレベルで理解し難いものだったりするわけで。このサイトは総目次まで辿り着くと「そういうサイトなのか」とわかった気になるようにしていますが、これはもちろん計画的犯行。一般人が、日記というにはちょっと違和感のある文章(しかも商業出版に類書の無いタイプの文章)をたくさん書いて人気を博すという状況は WWW の外には無くて、だから初心者がうまくイメージできないのは当然ですよね。用語レベルの話ではなくて、もっと根本的なところに大きな壁がある。

ちなみに、というか。慣れた人はカレンダーの不便さをご存知なのですが、初心者にはこれがわかりやすい。とりあえずカレンダーがあれば、迷わず過去の記事をよんでいけるんですね。ただし前後の月のカレンダーへのリンクは必須。初心者はひとつうまいやり方を知ると、その方法に固執しますので、前月へのリンクがみつからない段階で過去ログ探索を諦めがち。これは WWW 活用の初心者に限った話ではないので、一生モノの知識ですよ←要チェック!(こういう話をすると感心されることがあるのですが、こんなことくらいなぜ常識にならないんでしょうね。子育て経験があればすぐ気付くだろうに)

といった話はあんまり私の一番いいたいこととは関係なくて。

あのですね、趣味の個人サイトにあれこれアドバイスしたり、口出ししたりするような人が一番わかっていないことってのがあって、それはつまり、「なぜこのサイトは人気が無いのか」という話なんですがね。100回で足りなければ1000回でも1万回でもいいますけれども、そんなもの、「つまんないから」に決まっているわけですよ。他に理由は無い。嘘だと思ったら、みんなのアドバイスをよく聞いてですね、デザイン関連で直せるところをみんな直したらいいんです。とくべつ幸運に恵まれたらお客さんの数が数倍にはなるかもしれないけれど、でもその程度ですよね。同じジャンルでトップを行くサイトの足元にもかすらないというか、数倍になっても所詮は路傍の石です。

いいですか、今から私はあなたを騙しますけれども、これで騙された方がたぶん幸せになれると思います。

日本にネットユーザは約 7000 万人います。1日1万人が読むサイトというのは、つまり、7000人に1人だけが面白いと思っているサイトなんです。そして6997人はあなたのことを知りもしない。知ろうとさえしない。多くのアドバイザーは、人に嫌われないようにしようという話ばかりします。でも、現実を見てくださいよ。今はまず、狭い交友関係の中で全員に好かれようとするよりも、まず交友関係を広げることを考えるべきです。

浜崎が歌えばどんな曲でもヒットすると思っている人がいる。宇多田ヒカルだって日本人の95%がCDを買わなかった。誰もが価値を認める曲なんて、誰にだって書けない。浜崎の歌う曲をちっともいいと思わない人は多いだろう。そうした人の方が多いだろう。だが、それは他のどの歌手の歌う歌についても同様だ、ということに注意すべきだ。なぜあんな曲が? と問うても意味がない。

人気ゲームだというのでやってみたらつまらなかった、なんてことは珍しくもない。だがそれだって当然のことだ。売れても300万本、最高のゲームでさえ、日本人の98%が買う価値を見出さない。300万という数字は、その程度に過ぎない。

ベストセラーなのに面白くない小説、人気ドラマのはずなのに退屈、それはちっともおかしなことじゃない。むしろ当然のことなのだ。

浜崎あゆみは、ただ浜崎あゆみであるだけで売れているわけではない。200万人の心を捉える曲がそこにある。だから売れている。ただしその曲は、他の1億2000万人にとっては雑音かもしれない。それでも浜崎は日本一CDの売れる歌手の座を守ることができる。

……私は今、人気サイトを作ろうとする際の基本的な考え方について述べているのだが、おわかりだろうか?

もっと露骨に書くなら、「大多数がどうだとか、そんなことを気にするようなご身分なのか?」という話。誰からも嫌われないようにしよう、なんてことを考えるのは、紅白歌合戦のプロデューサーだけでいい。

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