趣味Web 小説 2004-04-25

機械の向こう側にも人はいるのだけれど

多くの Web サイト制作者は、「HTML は機械に読ませるもの」だという認識をしていません。「人間に読ませる、"ホームページ" を作るためのもの」だと思っています。それで、「HTML 文書を書く」のと、「ホームページを作る」のは、違う目的だと考えたほうがいいんじゃないかと思ったりします。

人間は「気まぐれに文字の色を変えたくなったり、意味もなく飾りの画像を表示したくなったり」するし、読む側も、適宜「どういうつもりでこうしたのか」解釈していきます。そこに「書かれた要素の意味を、一々 "機械に" 教えてやらなくちゃいけない」なんてことを言われて、すぐに納得して了承できる人間はそうはいないと思うのです。そして、「気まぐれ」や「意味もなく」をやるのに CSS は不便で、「その場の思いつき」で <font> タグを書いていくほうが簡単だし#1、テーブル要素が機械にとっては「表」なのかレイアウト用の「グリッド」なのかなんて、どっちでもいいことだと感じると思います#2

備忘録でも"いろは"でも繰り返し書いてきたことですが、大切なことだと思うので、こうした意見は何度でも紹介していくつもりです。あなたの好きな要素(HTML)は?にも書いたことですが、正しいやり方を理解するのも、正しく教えるのも、簡単なことではありません。

認識の有無が問題ならば、認識させればいいんじゃないか? とは、あまりに単純な意見で、それができれば苦労しません。だから、引用した文書の展開も、人間に読ませることしか考えない人々の存在をそのまま認めつつ、対策を考えていこう……となっています。けれども、私はその方向に答えはないと思っています。HTML をある程度まで理解していることを前提に、マークアップ作業の簡素化を狙うという方向性しかありえないのではないか、と。

けれども私は、そう思わない人が挑戦するのを邪魔するつもりもありません。頑張ってください。

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