趣味Web 小説 2004-10-15

無視され続ける cafesta

食肉卸最大手のハンナングループについて、国民のほとんどはその存在さえ知りませんでした。この会社はブランドを表に出さず、無印の安い商品を手がけていました。そのため会長が逮捕されてもスーパーが取り扱いを停止しなかったことは、まだ記憶に新しい。どれがハンナンの商品なんだか消費者にはわからないので、自主規制せずとも苦情は出ないというわけです。

巨大な存在が、壁ひとつ向こうの世界ではアッサリ無視されてしまう事例が、世の中には存在します。ハンナンは敢えて消費者にブランドを示さない道を選びましたが、頑張って宣伝している最大手が、なぜか無視されるというケースを示します。

いま、日本のブログの数がどれぐらいあるのかを調べてみたのです。はてな、ライブドア、JUGEM(じゅげむ)、ニフティのココログの上位四つで14万5000。これで約50%のシェアがあると言われる。そうすると日本のブログの数は29万から30万という規模になるのではないでしょうか。

この際だから、ハッキリいいましょう。国内最大のブログサービスははてなダイアリーではなく、そして楽天広場参考1参考2)でさえなく、じつは cafesta です。

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楽天広場は個別記事の表示機能とコメント機能を早くから備えており、ブログブームにも機敏に対応して RSS を配信、トラックバック機能追加、と手を打ってきました。しかし未だにブログ本流からは異端扱いを受けています。ブログの「形」を機能面では満たしてきたものの、見た目がそれらしくない、という理由です。

はてなダイアリーがブログの一種と認められたのは、日本における「ブログ草創期」にアクティブにユーザを募集していたサービスの中で、最もブログっぽい機能を備えていたからでした。DiaryNoteさるさる日記は、初期のブログ特集においてこそ「ブログ運営に使えるサービス」として紹介されたものの、MT ライクな無料サービスが続々と登場して以降、ぱったりと紹介が止まりました。はてなだけがその後も代表的なブログサービスとして宣伝費抜きで雑誌などに紹介され続けることができたのは、タイミングの勝利でした。

開発の経緯から考えればありえない話ですが、仮に JUGEMlivedoor Blog が同時期にスタートしていたら、はてながブログサービスの代表格として紹介され続けることはありえなかったでしょう。

しかしいずれにせよ、そんなものは所詮、コップの中の戦争です。長らくココログ+はてなよりもユーザが多かった楽天広場、その7倍のユーザ数を誇るのが cafesta というサービスです。他の全ブログサービスの合計にも比肩する、業界の巨人。ところが、Internet Magazine などのブログ特集では、ほぼ無視されてきました。そしてこれからも、無視され続けるでしょう。

MT ライクな「形」がブログを定義するという文化が、いかに強いか。ブログについて語るブログの Google Adsence には、必ずといっていいほど cafesta の広告が顔を出していて、日本最大のブログサービスを展開しているのはウチだ、と主張しています。それでも、いわゆるブログ界隈からは無視され続ける cafesta に、文化的敗者の哀しさを見ます。

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