趣味Web 小説 2004-11-04

ネットは有料コンテンツを安くしたか?

今更だけれど、「波状言論」の値段については思うところがある。私は同人誌には疎いので、商業誌の感覚でモノをいわせていただくのだけれど、「波状言論」のバックナンバーは1号250円ということになっていて、これは正直いって安くない。モノのコストと中間マージンを相当程度省略したはずなのに、定期購読でも1号150円。もう一度書くけれど、安くない

別に、内容に不満があるわけじゃない。それだけの価値があると思えば買えばいいだけの話で。

ただ、ネットが商業出版に価格破壊の波を起こすだろうか? という観点からいうと、果たしてどうなんだろう、ということ。「IN☆POCKET」は210円で、原稿用紙100枚の小説がポンと「オマケ」で掲載されたりする。平均300ページを超える充実の内容。広告が結構あるとか、部数が違う、というのはもっともな意見だけれども、それにしても相手はレイアウトもプロのデザイナーが組んでいる、読みやすい紙の本ですからね。有料メルマガって、読みにくい割に価格はそこそこだよね、という印象は拭えない。そして実のところ、「波状言論」は例外的存在で、(私の見てきた)多くの有料メルマガは文字があんまり多くない。

ここで重要なのは、誰一人暴利を貪ってなどいないということ。ネットが価格破壊を牽引する、という「夢のような話」は、本当に夢想の類だったのではないか。

近所の古書店へ行けば面白そうな本が1冊50円でたくさん売られているわけで。1万円も出したら、1年くらい読むものに困らない。実際、それで部屋に本があふれて困っています。

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