自信ありげな落合弁護士に対し、小倉弁護士がコメント欄に寄せている言葉に注目。
こう考えれば当然、こういう結論になる! ……そこで話が終るなら裁判なんていらない。たいていのトラブルは弁護士に相談した時点で解決することになる。でも、弁護士が有罪だ無罪だといってやりあうテレビのバラエティー番組をみればすぐにわかる通り、実際には意見が割れる。
「あいつらはわかってない!」というあたりに敗因を求める人は多いのだけれど、さて、どうなのでしょうか。
結局、人の価値観、世界の見方は多様なので、「こう考えれば」の部分で意見の一致を見ることは、なかなか難しい。頑張ればできるという種類の話でもない。ネットで声の大きい弁護士は、たいてい消費者に肩入れする。匿名での発言環境を守るのに有利な結論を導こうとされる。論旨明快、どうだこれで反論できないだろう、という感じ。でも現実の裁判では、けっこう苦労されているわけで。世界の理想像、前提条件の捉え方を共有できない相手を、スマートに説得する手段はない。
例えばこの記事に、レンタルブログサービス→通信事業→電話業者という連想を使った例え話が登場するのだけれど、電話の場合、問題を知ったときには通話は完了しているのが一般的だけど、ブログなら違法な記事は現にそこにあって、サーバ管理者なら削除でも何でもできるという点が異なる。「知っていながら放置した」としても、放置の種類が違うではないか。
……なんて反論は簡単なわけで、結局、それぞれの価値観に照らして「そう思うかどうか」が争点となったりするのだろう。