空港には一種と二種があって……というお話。
- 論理的思考
「余談」として ありみかさんの意見を批判しましたが、本人は「正しい HTML 信奉者」を自称しておられる。 ゆえに思考においても論理的であろうと推測されるのですが、実際の意見は政治問題を感覚的に捉えています。 これは大変危険なことです。 誤った HTML ぐらいなら誰の迷惑にもなりませんが、政治は直接誰かの生活を脅かすこともあります。
私が政治問題をあまり扱わない理由は、自分の「論理的思考」に自信がないためです。(をいをい)
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政治は必ず少数者を残す
- 当たり前の「政治原理」で、個人としての国民全員の利益になる政治はあり得ません。 政治家が「国民」と言う場合は、総体を指しています。 バランスなので切り捨てられる部分があります。 JIS で「アクセシビリティ」を言うことの胡散臭さは、原理的に政治とは背反する概念だからです。
そうかもしれない、と思いつつ、以下は関係ない話。
私は成田出身で、父が空港で機内食メーカに勤務していることもあり、成田空港については多少の意見を持っています。成田では犠牲者を出してまで国は開港しました。
という一文から、少し話を広げたいと思います。なぜ、成田に空港が作られたのか?
空港を作るには平坦で広大な土地が必要で、ちょうど成田には御料牧場があって、新規買収地が少なくて住む算段があった……というのは、もちろんひとつの理由です。けれども、どうして羽田を拡張しなかったのか、せめて東京湾に作らなかったのか、という疑問は残ります。今からだって遅くない、大拡張された羽田に全部集中しよう、という声もあります。
ところが、なかなかそれは難しいわけです。なぜか? 横田基地があるからです。私はこの話を、最初は父から聞きました。航空管制の都合なのだというのです。横田基地と成田空港を関連付ける、航空管制の問題については、帝京大学教授・高山正之さんのわかりやすい解説があるので、以下ご紹介します。
記事中に登場する通称、横田コリドー
や、羽田空港への離発着が知恵の輪のように窮屈で大変なことになっていることは、成田空港の見学ルートに用意されている図解や、航空科学博物館の展示物を見れば一目瞭然でした。過去形なのは、現在も往時と同じ展示物が用意されているかどうか、はっきりしないからです。たぶん、今でも確認できると思います。興味のある方は、ぜひ足を運んでみてください。
なお、高山さんの記事は1999年に書かれたもの。その後の展開は皆さんもご存知の通りで、横田基地返還は遠い夢の話となり、サッカー日韓 W 杯にかこつけて暫定の第2滑走路が建設・供用されました。ちなみに横風用滑走路は、ここでは「滑走路の本数」に数えていません。他の2本と同時には使えず、そもそも緊急用の設備に過ぎないからです。
リンク先は無断転載された文書なので、書籍版をお買い求めいただくのが正道だとは思います。PHP出版から刊行され既に絶版となった旧「異見自在」は選集だったのが残念でしたが、新しい高木書店版の「異見自在」は全話を収録した完全版。これでようやく新聞の切り抜きを処分できました。昔、私はこの連載が大好きで、土曜日の夕刊を毎週楽しみにしていたものです。高山さんはいつも決まって社論を無視した持論を展開、よくこれで編集委員に推挙されたものだと驚き呆れたこともしばしば。辛口のコラムニストというだけなら珍しくもないのでしょうが、この記事は新聞記者の肩書きで1面に堂々と掲載されていました。そういう目で見れば、「異見自在」がいかに型破りな存在だったか、ご理解いただけるでしょう。
時事問題が中心のエッセイ集なので、たしかにひとつひとつの事象は旧聞に属します。しかし、本書に通底するテーマは現在も有効です。新聞の国際面、社会面を好んで読まれる方なら、とても楽しめる一冊ではないでしょうか。