趣味Web 小説 2005-02-20

技術は独占せず対価を得て広めていくべき

asahi.com ツールバー for Mozilla Firefox のソースコードが Firefox mixi ツールバーに流用されていた件について、盗用された側の MinuteDesign が以下の要求を提示し、それが通ったという話。

作者の方、もしこのエントリーを見ていましたら、拡張機能の配布を中止するか、asahi.com ツールバーから盗用したコードをすべて削除してください。

asahi.com ツールバーは個人的に作成されていたもののようなので、権利関係は MinuteDesign が一手に引き受けているはず。つまりすべて MinuteDesign の胸先三寸なのだから、盗用に抗議したいだけならば、金銭的解決を図るべきだったと思う。それができない理由があったでしょうか。mixi ツールバーの作者に十分な技術力がない場合、あるいは当面、時間の余裕がない場合、MinuteDesign の要求は mixi ツールバーの死を意味します。

盗用コードを含むツールバーの利用者をも攻撃したいならともかく、盗用した製作者だけを痛めつけたいのなら、金銭で解決する方がよいでしょう。mixi ツールバーには需要があるわけで、これを叩き潰して代替品を示さないのでは世の中のためになりません(幸福の総量が減ずると思う)。

世の中には、金銭で解決した方がいい問題がたくさんあります。著作権も特許も、独占のためだけに用いると、必ずしもいい結果になりません。一太郎裁判もそうですけれども、技術を盗用した商品に対してはまず金銭を要求し、それが拒否されてはじめて販売停止を訴えるのが常道です。またライセンス料にも相場というものがあるわけであって、これもまたあまり吹っかけては話がまとまらない。

一般人の感覚では、泥棒が「代金はお支払いしますので」といっても開き直りとしか思えず、無茶な金額を吹っかけるか、金銭的解決を拒否することになりやすい。これは不幸なことだと思います。適正な対価で技術を広めていくことができれば、もっといろいろ便利なソフトウェアが誕生しているはずなのです。

mixi ツールバーはソース修正で対応

otsune さんの記事で知ったのですが、mixi ツールバーはソースを書き直して配布を再開しているそうです。誰も得をしない問題提起であり、解決だったと思います。

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