今日、参議院本会議で郵政民営化法案が否決され、小泉純一郎内閣総理大臣(自由民主党総裁)は衆議院を解散、国民の信を問う大博打に打って出ました。ついに「(変わらないなら)自民党をぶっ壊す」という公約を実現したのでした。
政治家ってのは、やっぱり偉いものだな、と思う。負けるとわかっていて解散するのです。消費税率を上げたら選挙に負けるのはわかりきっていても、橋本首相は決断したのだし、政治家は国民がいうほど権力の座に執着しているわけではない。地方公共団体の合併だってそうです。人員が減るのは議員だけ。ひとり損をする政策を、住人のために可決する。もちろん、きれいごとだけではないのでしょう。ただ、私利私欲が議員の根源的な原動力ではないことは、有権者も知るべきです。
政治家がみな御殿を建てるわけじゃないよ。むしろそんなの、例外といっていい。小泉首相の自宅だって、見ればただの民家で、近所の歯医者の方が立派な家に住んでいる。母校の大先輩、井上豊元参院議長だって、そうと紹介されなければ気付かないようなところに暮らしていらっしゃる。三権の長となっても一介の銀行員にすら劣る給料で働くのが民主国家日本の現状だと私は認識しています。
元国家公安委員長が巡査に職務質問され、警察庁長官が狙撃されても犯人を捕まえられない国で、真に恐れるべきは国家権力ではないと思う。いつまでもいつまでもどこかの偉い人に責任を押し付けてブーたれている主権者、つまり国民の側に私は諸問題の根源を見ます。この備忘録の読者の皆様が小泉総理の決断に賛成でも反対でもいいのだけれど、日本の政治家が、その地位よりもっと他に大事にしている何かがあるのだということは、見落とさないでほしいと願います。
あと、割と政治家のみなさんは市民と対話する機会を設けていますので、興味のある方は暇を見つけて会って話してみることを勧めます。元国会議長や元大臣でも、庶民の声をとりあえず素直に聞いてはくれます。
ところで、小泉内閣と次の内閣にとって最大の課題となるはずの憲法改正は、これからどうなっていくのだろう。卑近な問題も、郵政公社と同様に当座をしのぐ措置にとどまっている年金、そして国家財政健全化の道筋など、大物が多数、残っています。次は民主党政権と予想されていますが、誰が政権を担当するにせよ、頑張ってほしいですね。