趣味Web 小説 2005-09-06

社会学者への不満

鈴木謙介さんの問題意識に、なぜ私がたいてい共感しないかといえば、「電車男みたいな作り話に踊らされてるのはバカ」みたいなことをいっている人は、結局、世の中の少数派に過ぎないし、今後もそうであろうと予測するからです。ホワイトバンドの問題点に感心して、「みんなで一緒に何もしない」ことを要求する「やらない平等主義」を明確に主張しだす人々が世間の多数派になるとは、とても思えない。

どうも鈴木謙介さんの暮らしている世界にはウェブの先端ユーザみたいな人ばっかりがいるみたいで、そのあたりの予測、社会の状況に対する認識が非常に偏っているように思う。

愚民化、というのはそういうことなのだろう。必要なのは、愚かな小賢しさを身につけることではなく、賢い愚かさを身につけることであるのだと思う。動員されるならば、賢く動員されればいい。騙されたくないから何もしないのなら、そのまま樽に入って一生を終えればいいのだ。

苦言を呈すまでもなく、ホワイトバンドに無関心な人々の大半は樽に入って一生を終えていますよね。そもそもホワイトバンドを買った日本人なんて一握りでしかなく、それに対しネガティブキャンペーンを張っている人はもっと少ない。少数のまたさらに少数の連中なんて、どうだっていいような気がするわけです。

どうだっていいことではあっても、ムカつくのはわかる。わかるけれど、その個人的な思いが仕事の優先順位とくっついているように見えるから、疑問を感じるのです。雑誌の記事などはウェブの先端ユーザ(あるいは先端ユーザのことを知りたい人々)向けの読み物であって、だから優先順位は間違っていないのかもしれない。でも、それならせめて、「あくまでもこれは先端ユーザ周辺の問題であって、多数派の状況ではありませんよ」という留保を付けてほしいと思う。

社会学者の物言いへの不満として、「どうして最先端の状況について語りたがるのか? そんなものを追いかけるより、今そこにある最大の問題への処方箋を考えてほしいのに」という思いを抱いて10数年。ひょっとすると「別に、世の中をよくするための学問してるわけじゃないし。自分が興味を持っていることについて研究してるだけだよ」なのかもしれないけれど、なんだか釈然としない。

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基本的に同意。しかし一つ間違っている。「最先端の状況について語りたがる」社会学者は、少数派。大半の社会学者は地道に調査・研究をやっている。

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