趣味Web 小説 2005-09-24

Advice346 月と太陽と風船

ご依頼人と Web サイトのご紹介

NARUTO/鋼の錬金術師/D.gray-man/etc..の夢小説(ドリーム)中心サイトです。日記も置いてあります。とのこと。その日記というのが 269g の無料レンタルブログを利用したものなのですが……269g ではトラックバックを無効化するとか、削除するとかできないのかな。

管理人の仙月アカリさんは中2の女の子。今年の夏はおばあちゃんが手術を受けたりして、いろいろたいへんだった様子。術後の経過は順調なようで、よかったです。

ご相談の内容

サイトのデザインは個人的には結構気に入っているのですが見づらい、ような気がしてたまりません。変えようか変えまいかでもまた、失敗してしまうような気がしてしまって。

後、最近カウンターのまわりが遅くなっているような感じがするのです。いろいろと努力したら、一時的にあがったりはするのですがすぐに落ち込んでしまって。小説のジャンルが、3つででひとつのジャンルの更新スピードが分散してしまうからかな…と思ってもいます。それに一年に二回以上、PCが壊れてサイトが更新できない(泣)という自体が発生してしまって(現に今そうなのです)その間に百以上落ちてしまったことも、原因だと思うのですが。

何か、よろしければアドバイスをよろしく御願い致します。

アドバイスいろいろ
1.デザイン

結局、もうリニューアルされたんですよね。これがまた物の見事に大変化。以前のデザインがもう思い出せません。

さて、現行のデザインですけれども、たいへん結構だと思います。背景画像の使い方はとくに素晴らしい。たいてい素人が物珍しいことをやると失敗するわけですが、きっちりまとまっています。仙月さんはベタな配色と画像の選択をうまく絡めて冒険心をうまく制御しつつ、余力を画面のバランス調整に振り向けています。テキスト領域の背景は可読性に配慮してベーシックに白を選択、シンプルになり過ぎないよう枠線で遊び、メニューフレームの背景色に落ち着いた色をチョイスして画面の重石とする……お見事。

リンクには下線をつけた方がいい、みたいな話はいくらでもできるのでしょうが、あまり重要ではないでしょう。このジャンルではよくある装飾スタイルです。そもそもドリーム小説を楽しむためには JavaScript が必須で云々とか、とことんこだわっていくと根本的なところでサイトの方向性が否定されかねない。では仙月さんのウェブサイトは無意味なのかといえば、そんなことは決してないわけでしょう。今日も300人を楽しませているのですから。

大切なことは、仙月さんご自身が納得のいくデザインにたどり着くことだと思います。ぶっちゃけた話をすれば、いろいろ同系統のサイトを巡ってみればお分かりの通り、必ずしもデザインのよしあしは人気と関係がない。そして時々、とんでもなくひどい見た目なのに大人気のサイトに出くわすことになるわけです。同人系とかドリーム小説系のウェブサイトには奇麗なところが多いのですが、2ch の同人板のような殺風景なところにも大勢が集まっていたりするのでよくわからない。

今後のリニューアルの参考までに書きますと、スタイルシートの記述については、1点だけ絶対にお勉強なさった方がよいでしょう。多くの文書に同じスタイルを設定する場合には、外部スタイルシートを利用するべきなのです。詳細は下記のウェブサイトでご確認ください。

ひとつ不満を書けば、コンテンツごとにデザインが変わってしまうことですね。外部スタイルシートのお勉強が済んだら、CGI のカスタマイズに進まれるとよいかも……あ、いや、それは泥沼の道なのでやっぱり避けた方が無難でしょうか。

2.訪問者数

Advice345 で紹介しているアクセス分布表をご確認いただきたいのですが、1日300人程度の訪問者がいるということは、仙月さんのサイトが上位5%以内に位置することを意味します。したがって、上を見て頭を悩ますよりも、現状に満足されることを私はお勧めしたいですね。

そんな「アドバイス」ではあんまりだ、ということでしたら、以下の簡単な解説を参考になさってください。

3.更新し続けるために

今日の訪問者数を決めるのは、基本的には昨日までに仙月さんが育ててきた「読者の期待」です。本日のコンテンツが素晴らしいかどうかなんて、訪問者にはわからない。何も更新されていないかもしれないし、最悪の場合、閉鎖のお知らせが待っているかもしれません。にもかかわらず閲覧しようとするのは何故か? 何かを期待しているからです。

「最初の1年間、ほとんどコンテンツを充実させず、次の3ヶ月間、頑張って更新したサイト」と「最初の3ヶ月間、頑張って更新し、次の1年間、ほぼ放置したサイト」とを比較した場合、基本的には後者の方がカウンターの数字は大きくなります。

にゃごろう村」という、かつて私が関わっていたウェブサイトがあります。興味深いことに、更新を終了するまでの総アクセス数が、更新終了後の総アクセス数とほぼ同じです。更新終了が宣言されているにもかかわらず、カウンターの数字は増え続けたのでした。「宇治IN茶筒」の場合はもっとすごくて、更新終了後の総アクセス数が、更新を終了するまでの総アクセス数の約4倍となっています。

検索エンジンで上位表示されるとか、あちこちからリンクされるといったことは、すべて読者の期待の送料を増す要素となります。いったん人気サイトを作ってしまえば、更新を終了しても、数年単位の長い目で見れば、更新中の総アクセスを乗り越えていくことが可能なんですね。目先のアクセス数に一喜一憂するばかりではなく、長期的な視点を持つことも大切だと思います。

同人界隈でつらいのは、テレビ放映が終わったり、マンガの連載が終了したりすること。これは根強いファンを抱えるサイトにもじわじわ効いてきます。ただ、ほとんどの場合、客足が遠のく前にコンテンツの更新の方が先に滞ります。原作の新規生産が終了すると、二次創作の意欲も減退するようなのです。そのため、じつはコンテンツの更新を続けることにより他サイトからあぶれた閲覧者を吸収し、原作終了後に大手へのし上がるケースもあります。

仙月さんは中学生だそうですから、3年後の自分を想像するのも難しいことでしょう。高校生なのはほぼ確定としても(実際は怪しいのですが)、ウェブサイトを更新し続けているかといったら疑問があるでしょうし、まして現在のウェブサイトがずっと続くとは思っていらっしゃらないのでは? 中学時代に作ったウェブサイトをそのまま更新し続けて高校卒業に至ったという実例を、私は数例しか見たことがありません。たいていどこかでいったん終了します。

大人あるいは大学生が作ったウェブサイトが5年以上続いたケースは無数にありますが、中学生という特殊事情を考えるなら、短期・中期のアクセス数が気になるのは当然です。基本的には、人気のあるコンテンツを更新し続けることで訪問者は増えます。これは鉄則といっていい。

更新し続けているのに訪問者が減るのは、「不人気コンテンツばかり更新している」「じつは更新頻度が落ちている」このいずれかに該当する場合が大半です。仙月さんの場合、前者はともかく後者は当てはまりそうですね。まあ、いったん腰を折られると絶好調の頃のペースを取り戻すのは難しいものです。ちょっと頑張ってみても、1ヶ月も経たないうちに息切れしてしまったり。本人は頑張っているつもりでも、やはりかつての自分に負けている……ということはよくあります。

自分の心変わりはそれでも仕方ないとしまして、意思と関係なく生じるトラブルには対処したいですね。パソコンは、壊れるものです。ですから、大切なデータ(文章とイラスト)を毎日自動で外部メディアにバックアップする体制を整え、中古の安いパソコンをもう1台、確保されることを勧めます。そうはいっても、いくら中古の安いパソコンといったって中学生に3~5万円は安くない。バックアップ体制を整えるのも、お勉強の手間とソフトウェアや機材を揃えるお金がかかります。

だから簡単じゃないのはわかります。もし、可能なら、という話。将来、パソコンを買ったりされる際には、高価な物をひとつ買うよりも、安いもの+周辺機材+安価な中古品という体制にされた方がいいです。パソコンが突然壊れて、一切合財が一瞬で消えてしまうのは、いうなれば小さな火事を体験するようなもの。だんだん賢くなっていってください。

家は燃えるものですし、パソコンは壊れるものです。火災保険で家は再建できても、燃えたアルバムの写真はもう手に入らない。長期保障でパソコンは直っても、消えたデータは取り戻せない。だからネガとポジは別の場所に保管するべきだし、データはバックアップするべきなんです。そうはいってもね、という話なんですが、心構えとして。

4.アドバイス?

で、結局、アドバイスしたいことは何なの? と問われると困ってしまう。本音は既に書いた通りで、「現状に満足されてはいかが?」なのです。

ジャンルが分散しているから人気がない、といった予想にはあまり賛成できなくて、「そうやっていろいろ書いていることが、現在の人気につながっているのだろう」とも思うわけです。割と読者は「作家読み」しがちだと思うのです。最初はハガレンの夢小説を求めてやってきたのだとしても、いったん気に入ったら他ジャンルの新作も読むのではないか。もちろん全員じゃない。でも、2人に1人くらいは、読んでいてもおかしくない。違いますかね。

あるいは、例えば「最近はピアノの方が楽しいとか、パソコンに向かっても日記ばかり書いてしまって小説を書くペ-スが落ちている」として、ここで私が「もっと小説を頑張ったら?」と提案することに意味があるのかな? という疑問もあります。趣味でやっているウェブサイトなのだし、書きたいものを書く、他にやりたいことがあるならそっちを優先する、それでいいのではないか。アクセス数に一喜一憂するのが幸せに通じる道なのか。

……というわけで、話は振り出しに戻るわけですね。

5.

夢小説は王道ストーリーをすっきり読みやすく書いていらして、なるほど数百人の読者がいるのもうなずけました。

ただまあ、古い作品の一部を非公開にしたい気持ちはわからないでもない。捨てるのだけは勧めませんが、とりあえずどこかにしまいこんでしまうのは有りでしょうね。安直に後戻りできない道を進むことには反対しますが、保険をかけた上での冒険は悪くないと思います。

私は現在のデザインはたいへんよいと思いますが、仙月さんご自身が不満ならば、変えたっていい。ただしその場合、作業前にコピーをとっておくべきなんですね。失敗したな、と思ったらすぐに戻せるように。

とまあ、そんな感じで、これからも楽しくウェブサイトを運営されていくことを期待します。

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