基本的な考え方において、私は石田さんに賛成します。
2004年にバカな閲覧者は勝手に不幸になればいいという記事を書きましたが、制作者と閲覧者の文字サイズ設定の関係(みりばーる,2005)やフォントサイズを取り戻せ!(hal*,2005)にもある通り、文字サイズひとつとっても万人向けの結論は出ません。おそらく最大多数が「許す」標準のフォントサイズは「無指定」あるいは「medium」なのでしょうが、やはり全員が満足するわけではない。
だからそれぞれの人に合わせてデザインが自動的に変わるようなのが良い
のでしょう。本来なら、それはユーザスタイルシートの領分なのですが、ユーザは製作者より怠惰なのでこの道はない。致し方なく製作者は様々に工夫をこらすのですが、費用対効果の問題がありますから、できることは非常に限られています。
また、音声系ブラウザを試用してみると、「チラッと見て詳細を知りたい情報を探す」ことが難しい現実に行き当たります。周辺情報過多なデザインは音声系ブラウザに優しくない。これは視覚と聴覚の違いに基づく本質的な問題です。また携帯電話の画面の小ささも原理的な制約のひとつでしょう。
HTML 文書は、文書単独でのワンソースマルチユースを志向して仕様が定められてきましたが、やはり現実的には少々厳しい面がありました。近年、主に携帯電話対応のため「ひとつのデータベース+複数の情報発行形態」という方法が広まりつつあるのは、自然なことだと思います。とりあえず、ここまではきた、ということなのでしょうね。