趣味Web 小説 2005-11-29

闇黒日記の更新にブログツールを利用するメリット

「ブログ」にしても何にしてもCMSだとデータベースの形で纏められてデータが管理される、それは便利だが、便利なのは動いてゐる間だけだと、壞れないでゐる間だけだと。データが壞れた時、何うするかと。データベースのデータをバックアップする、それは慥かに可能である、バックアップから復舊出來る――本當に出來る? 確實に出來る? テキストでデータが「ある」なら、ばらばらに、個別の記事ごとに「ある」、それは、サイト全體を管理するには面倒だ、けれども、データの確實な保管と云ふ點では樂だらう。最初からデータが個別にある、一緒に纏められてゐない、ならば、纏められたデータが纏めて逝くよりは、まだ「安全」だらうと。少くとも、何らかの方法で「壞れたデータから意味のあるデータをサルベージして何とか救ひ出す」よりは、意味のあるデータが「ある」方が、そのまゝ使へる訣で「簡單」だらうと。

私の Movable Type の使い方は、まずローカルで HTML 文書を作成し、ローカルに簡単なサイトを構築する。次に、コピーアンドペーストでデータベースに記事を入れる。そして静的生成で記事を書き出す。必ずこの手順です。ローカル、データベース、生成ファイル、3箇所にデータを持つ。そして3者それぞれについて折を見てバックアップを取る。(転載リソース集が生成ファイルのバックアップ)

データベースが壊れたら、前回のバックアップを復旧させ、その後の更新分は生成ファイル(またはローカルファイル)から復元する。ローカルファイルが壊れた場合も同様。生成ファイルが壊れた(サーバ内ファイルの整理をしている際、誤って消してしまうことがしばしばある)なら、データベースから再出力する。

MT を利用している方の大半は、直接、ウェブフォームから記事を入力されていると思う。私がそうしないのは、文書をマークアップするには、HTML 文書作成に特化したエディタと比較して、ウェブフォームは全く非効率だからだ。そういった事情があってのことなので、HTML に興味のない方には、面倒なことだとしか思われないに違いない。

じつは、Wiki やはてなダイアリーなどでは、私も直接、ウェブフォームに記事を書いている。やはり、たかがコピーアンドペーストとはいえ手間には違いないのだ。いずれも動的生成なので、データはデータベースにしかないことになる。そこで、壊れてもいいよ、消えてもいいよ、と思うような内容しか置かないことにしている。とはいえ、実際に不慮の事故で消えたらショックだろう。そこで先手を打って、自分でどんどんデータを消していったりする。もともとどうでもいい内容なので、自分で消せば、悔しくない。

あなたが御自分のサイトを「ブログ」化した時、なぜ「ブログ」ツールを使はなければならなかつたのか、その必然的な理由を教へて下さいませんか。さうして選んだ「ブログ」と云ふ形式、それがあなたのサイトをどんな風に良くしたのですか。あなたは、なぜサイトを公開してゐるのか、その目的の爲に「ブログ化」はどんなメリットがあつたのか、その邊を教へて下さい。

「サイトの生成を自動化したかった。ブログ化してサイトの生成を自動化できた」とか、その程度の抽象論ならば良く聞きます。しかし、「サイトの生成におけるどのやうな作業を自動化・省力化したかつたのか」「さうした自動化・省力化が實際に生成されたサイトにおいてどのやうに有效な結果を擧げてゐるか」、さう云つた具體的な指摘は餘り見ません。

どうも「Googleで檢索して記事がひつかかり易くなりました」程度の事しか「ブログ化」によるメリットは「ない」やうに思はれるのだけれども……今の「闇黒日記」ですら異常なまでにGoogle檢索でいろいろひつかかり易くなつてゐる事を考へると、「わざわざブログ化する必要はあるのか?」と疑問を以てしまふ訣です。

現在に至るも、私がブログツールを利用した決定的な理由はひとつしかないように思う。

トップページと過去ログの同時更新、これです。自動リダイレクトなんてのは、ブラウザの標準的なブックマーク機能を使うことしかできない人にはたいへん不便なのだし、じつは私自身がその一人なので、最近数件の記事はトップページに表示したかった。

個別の記事に URI がくっついてくるというのは、ブログ化のオマケとしてはかなり嬉しいポイントで、以前より指摘されていた「リンクしづらい」という問題をバッチリ解消できた。まあ「段落アンカー」ほど粒度は細かくないのだけれども、むしろこの程度に留めておく方が迷いがなくてよかろう、などと思わないでもない。

くだらない批判でも、度々繰り返されれば気に障る。「リンクしづらい? 月別ログへのリンクで何がいけないんだ? 俺は困ってないよ、そっちで勝手に何とかしろ」という話だったのだが、まあ、「個別記事」に URI を与えてみれば、自分にとってもそれなりに便利だった。手作業では面倒で嫌になるけれど、自動で生成されるなら手間もかからないし、悪くないものと思う。

闇黒日記について、最新版と過去ログの同時更新を求める意見を過去に何度も目にしたことがある。最近では「個別記事」へのリンクをしたいという要望がちょくちょく出ている様子。最新版と過去ログの同時更新を「したい」と思っていた私と、そう思わない野嵜さんの違いが、ブログツール導入如何の分かれ目になっているのだろうけれども、シンプルな活用を心がける限り、ブログ化の手間というのはわざわざというほどのことでもないように思う。「ちょっと試しにやってみる」くらいの価値はあるのではないかなあ。

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