渡辺淳一さんが長生きし続ける限りありえないとも思われた東野圭吾さんの直木賞受賞がついに成ったので嬉しい。長さもそこそこだし、ミステリ小説が得意でない人も読むのに不都合ない内容でもあると思う。ドンドン売れてほしい。このミスでダントツ1位になったこともあって、多くの書店で平積みになっているから、立ち読みする機会はたくさんあるはず。この機会にぜひどうぞ。
以前、みずらぼ日記で直木賞は獲れませんと予想されていて悲しく思ったものですが、直前の逆転予想の方が当たってよかったです。ミステリの枠を広げてきた東野さんが、ど真ん中で受賞というのがまた奇跡的。もう時間は戻らないわけだし、素直に喜びたい。
あとどうでもいいけど「容疑者Xの献身」はカバーが非常に指紋汚れしやすい本なので、あとで売るつもりの人は買う前に手をよく洗った方がいいと思う。あときれいな本を探して本の山を引っ掻き回したがる人も、絶対に事前に石鹸で手の油をよく落とすこと! 指紋が線1本1本までくっきり、しかもこすっても取れないし、この本に限ってはものすごく迷惑になります。
余談。芥川賞の絲山さん、私は読んだことないけれど、何年もノミネートされ続けた方なので、受賞されてよかったなあと思いました。
ちなみに芥川賞は絲山を本命に推した豊崎さんお見事。大森さんは全滅。直木賞は東野を本命に挙げた大森さん、2番手に推した豊崎さん、両者お見事。
本格ミステリ界のお騒がせ作家といえばこの人! 今年も面目躍如です。バトルの行方はそろそろ辛くなっており、東野受賞で丸く収まりました。
直木賞落選の経験が作家に書かせた楽しい小説を2つご紹介。どちらも文学賞の選考を題材にした面白い作品です。「大いなる助走」は映画にもなりました。その他、印象に残っている文学賞テーマの小説といえば「倒錯のロンド」は外せない。