趣味Web 小説 2006-03-17

オレオレ詐欺の100年

1903年(明治36年)2月10日付「例の自働電話の詐欺」の見出しの記事は、料理店を解雇された男が、以前の取引先の食品問屋にカマボコや鴨などを自働電話で注文、品物は自分で引き取り、露店などに売却していたと伝えています。

また、同年11月13日付「東久世伯を騙らんとす」の見出しの記事は、伯爵と親しい知人の書生を装って自働電話をかけ、「主人が盗難に遭ったので、当座の金を貸してほしい」と頼み込み、100円もの大金をだまし取ろうとした事件を詳しく伝えています。

どちらも電話でまず相手を信用させ、金品をだまし取る手口ですが、電話が手軽にかけられるようになってこその犯行でした。

電話による詐欺は伝統的犯罪なのですね。近年、凶悪な詐欺集団が本業として取り組み、たいへんな社会問題となったわけだけれども、100年経っても電話のリスクが改善されないというあたり、科学の進歩もこの程度なのかなあ、と思います。

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